社会・その他

ETC専用と知らなかった? スマートICへの誤進入相次ぐ

 ETC搭載車に限って高速道などに乗り降りできる専用インターチェンジ(IC)として近年、全国で整備が進むスマートインターチェンジ(SIC)で、ETCを搭載していない車による誤進入が相次いでいる。和歌山市のSICでは、開通後1カ月で約490件もの誤進入が発生。誤りに気づいて一般道に戻るための退避方法も分かりにくく、道路管理者は対応を迫られている。

 SICは、通常のETC専用レーンのようにノンストップでは通過できず、利用する車は通信確認のため、ゲートの前で一時停止する必要がある。ただ、設置が簡易で料金徴収員も不要なため、コストが安いというメリットがある。

 だが、和歌山県内で初のSICとして今年3月、和歌山市の阪和自動車道に開通した「和歌山南SIC」では開通後1カ月で、約490件の誤進入が確認された。大きな事故には至らなかったが、ETCを搭載していない車がETC専用と知らずに進入した例が多く、NEXCO西日本関西支社の担当者は「県内初の整備で、SICへの理解が不足していたのかも」と話す。

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 佐賀県小城市から長崎自動車道に出入りする「小城SIC」でも誤進入が問題に。

 昨年10月にはドライバーから「入り口の案内が分かりにくい」「(逆方向の高速道に入ってしまったが)退避方法が分からず、次のICで高速道を降りて引き返さざるを得なかった」などの行政相談が九州管区行政評価局に寄せられた。その後も戸惑うドライバーが相次ぎ、今年3月には、月約150件の誤進入が発生した。

 ゲートまで進んでから誤りに気づいた場合、インターホンを使って係員に告げれば、係員が一般道への退出路を開き、そのまま出ることができる。だが、インターホンの案内表示がないためか、立ち往生する車も確認されたという。

 NEXCO西日本九州支社では5月上旬、ゲートに「間違えた方は(インターホンの)ボタンを押してください」と明記するなど案内表示を改善。誤進入防止の路面標示やポールも増やし、5月の誤進入は約90件に減少した。支社の担当者は「今後ともお客さまが安全に走行できるように努めたい」としている。

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 SICは平成16年以降、全国各地で整備が進み、国は26年から、出入り口から高速道本線までの整備費を半額補助。今年3月末時点で開通済みのSICは全国126カ所に増え、50カ所以上が整備・準備中となっている。

 だが、思わぬ誤進入で立ち往生すれば後続のドライバーにも迷惑をかけるほか、深刻な事故にもつながりかねない。交通政策に詳しい安部誠治・関西大社会安全学部長は「SICは観光客などなじみのない人には仕組みが分かりづらい。どこで間違いが起きるのか、管理者の立場ではなく、利用者目線のヒアリングが必要だ」と話している。(小笠原僚也)