働き方

出世の意欲、日本人「断トツの最下位」 アジア太平洋地域の国際調査で判明

 「日本人は世界的に断トツで出世意欲が無い」--人材サービスを手掛けるパーソルグループ傘下のパーソル総合研究所(東京・港)がアジア太平洋地域のビジネスパーソンを対象にアンケート調査したところ、日本人の上昇志向の際立った低さが浮き彫りとなった。調査結果では「自己研さん」「起業・独立志向」といった項目でも軒並み最下位を記録した。日本の人材の国際競争力低下も懸念される結果に……。

 日本の管理職、仕事量や労働時間が多く魅力的でない

 調査は同研究所が19年2~3月、アジア太平洋地域(APAC)の主要な14の国・地域で働くビジネスパーソン各1000人を対象に、Web上で実施。東アジアは日本や中国、韓国など、東南アジアではタイにインドネシアなど、加えてインド、オーストラリア、ニュージーランドの人に、就労の実態や仕事・転職への意識などを聞いた。

 「会社で出世したいか」という質問に5段階で回答してもらったところ、日本は平均で「2.7」と、ワースト2位のニュージーランド・韓国の「3.7」に大差をつけて最下位となった。「管理職になりたいか」という質問でも、「そう思う」「ややそう思う」と回答した割合は日本では21.4%と、やはり断トツで最下位。ちなみにトップのインドでは86.2%が「管理職になりたい」と回答した。

 同研究所の担当者は「日本の非管理職のビジネスパーソンは、周囲にいる管理職の働き方を見て『管理職になりたくない』と感じているのではないか。今の日本の管理職は、働き方改革の影響で部下の負担を減らすため自分の負担が増している。仕事量や長時間労働の面で魅力的に映っていない」と推測する。

 「独立志向」や「自己研さん」でも最下位……

 独立や努力志向の面でも日本のビジネスパーソンの「意識の低さ」が目立った。「会社を辞めて独立・起業したい」という質問に「そう思う」と回答した割合は、日本が15.5%で最低の結果に。逆にトップのインドネシアでは56.4%が独立を希望する結果となった。「勤務先以外での学習や自己啓発をしているか」という質問に対して、日本は46.3%が「特に何も行っていない」と回答。自己研さんにおいても14カ国・地域中最低の結果となった。

 同研究所の担当者は「起業・独立に対しては、日本人はまだ失敗のリスクが高いと感じているのでは」と分析。社外での自己研さんをしている人が少ない点については、日本の会社員は諸外国に比べて雇用の流動性がまだ低い上に、40代で社内の出世競争の勝負がついてしまって逆転人事も期待できないため、中高年世代で特に自分の市場価値を上げる努力をしなくなる可能性がある、とみる。

 外国人や女性上司への受容度でも最下位

 ダイバーシティー(人材の多様性)への受容度でも日本のビジネスパーソンが突出して低い結果となった。「女性の上司のもとで働くことに抵抗はない」と「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」の項目で最下位を記録。一方で、特にオセアニアや東南アジア諸国では女性の上司や外国人に対する受容度が高い結果となった。同研究所の担当者は「海外では外国人と働くことはもはや当たり前。一方でこれまでの日本の雇用の枠組みでは、外国人や女性の上司と働くことにいまだに慣れていない場合が多いのでは」とみる。

 上昇志向や独立意識などで、急伸するアジアなどの諸外国に大きく差をつけられた結果となった日本のビジネスパーソン。同研究所の担当者は「日本型雇用が機能不全となり、20~30代の社員から見て先輩がロールモデルになりえていない事態が背景にあるとみられる。日本の人材の国際競争力について憂慮すべき状態となっている可能性がある」と指摘する。(ITmedia)