【女性起業家のOLトリセツ】女性部下の副業認めるメリット・デメリット やる気上がり好循環か
皆さん、こんにちは! 株式会社スマートメディアCEOの成井五久実です。最近、金融機関が続々と副業を解禁したことが話題になっていますね。今年4月に京都北都信用金庫が全国の信金で初めて副業を解禁し、東邦銀行が6月にスタート。東京スター銀行も、入社4年目以上を対象に解禁し、すでに副業経験をしている人もいるそうです。
副業開始の狙いとしては、(1)人材育成(入社○年目以上など、ある程度育ってきた社員を対象に、経験の幅を持たせる)や、(2)異業種分野の人脈拡大(異業種人材を受け入れて、事業の視野を広げる)など、ビジネスの拡大に寄与することが期待されています。
本連載では「会社で女性社員とうまくやる方法」についてお伝えしていますが、今回は私自身が起業前に副業を経験した実例を元に、女性にとって副業が現在の仕事にどんなメリット・デメリットをもたらすか執筆させていただこうと思います。
自分の能力に自信、パフォーマンス向上
私が副業を開始したのは、PR会社に勤めていた社会人5年目の時でした。私はセールスリーダーとして、営業の実戦経験がある程度つき始め、1~2人の新卒を初めてマネジメントし始めたタイミングでした。正直、基本業務には「慣れ」が生じており、営業なのでクオーターの目標を達成してしまうと日々の業務に力が入らないこともしばしば…。そんな時に、起業をした友人から「プレスリリースを書いて、会社の広報を手伝って欲しい」と依頼があったのです。日々の業務に余力を感じていた私は、自ら執筆した経験はなかったのですが、日頃から企業様のプレスリリースの内容を企画・販売していたので快諾しました。
社内ライターの見よう見まねで友人の会社のリリースを1本執筆し、プレスリリース配信サービスのPR TIMESを利用して配信したところ予想以上の反響を得ることができました。
この時、広報人材がいなかったスタートアップの友人にとても感謝してもらい、初めて報酬として7万円を手にしました。普段のお給与とは別に、自分の能力がお金に変わった感動は今でも忘れられません。
その時から毎月1本プレスリリースを代行して執筆・配信する中で、今まではわからなかった、今までとは逆の立場である、プレスリリースを発注するクライアント側の視点を獲得し、タイトル一つで世間の反応が変わることを知りました。その時をきっかけに、営業時の提案の精度が上がり、企画力も格段に上がりました。副業によって、普段の業務のパフォーマンスが向上したわけです。
特に新卒から同じ企業に勤めていると視野が狭くなるものです。「副業」は自分の現在のスキルを切り売りすることから始まるので、必然と今の業務を顧みる経験になります。ぜひ、皆さんの部下も「井の中の蛙大海を知らず」から、副業を経験させることによって、大海原を冒険させてみてはいかがでしょうか。きっと今まで以上にパフォーマンスが上がるはずです。
また女性という視点では、普段の業務において男性より自己効力感が低い傾向にあると経験上感じています。女性の部下に自分の力だけで稼ぐ経験をさせることで、「私にもできる!」と根拠のない自信をつけさせる機会に繋がるのではないかと思います。これまで以上に積極的に事業に関わる意欲が上がるかもしれません。
離職するリスクが上がる
副業を導入する上で、会社としての一番の懸念事項はやはり「離職率の向上」ではないでしょうか。私も現在は社員50名のメディア運営会社を経営しており、副業を認めていますが、「副業によって外部企業の仕事にやりがいを感じてしまったら」「職場環境を比べられてしまったら」「ヘッドハントされたら…」などと悩みは尽きません。
実際、私も先ほどの副業で起業資金100万円をため、会社を辞めて独立している身です。副業がきっかけで外の世界を知り、外の世界から見た自分の価値を知り、手に入れたお金を将来の自分の投資に使おうという考えが生まれました。でも最近、こういった緊張感が雇用主・雇用者の双方にあったほうが、より良い社会になっていくと思うのです。
雇用側も、社員がずっといてくれる前提でいたら、業務改善を怠ります。良い社員に残ってもらうために、常に会社のビジョンや雇用内容をアップデートするべきです。そして、社員個人の人生と向き合い、一緒に仕事のやりがいやキャリア形成を考えるから、お互いに信頼関係が生まれ、個々のパフォーマンスが向上するような循環を生むことができます。
副業解禁時代、様々な選択肢が増えることで、会社も個人もアップデートする社会が到来しています。この流れを自らの成長機会として捉え、皆様の事業がますます発展することを願っています。
【プロフィール】成井五久実(なるい・いくみ)
起業家。1987年福島県生まれ。東京女子大学卒。著書「ダメOLの私が起業して1年で3億円手に入れた方法」(通称:ダメ億/講談社)が販売開始から3カ月で重版となる。新卒で ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社し、デジタル広告営業を経験。その後、トレンダーズ株式会社に転職、100社以上のPR・女性マーケティングを担当する。2016年、28歳で株式会社JIONを設立。情報サイト運営を通し、立ち上げからわずか5カ月で黒字化を達成。会社設立から1年後の2017年、3億円で事業売却。現在は、株式会社ベクトル傘下のメディア運営会社スマートメディアの社長を務め、「クレイジー」「OPENERS」「JION」など10のWEBメディアを運営している。その傍ら、女性起業家を支援する活動にも従事。
▼【女性起業家のOLトリセツ】は成井五久実さんが職場の女性との上手な接し方を教える連載コラムです。アーカイブはこちら
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