SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第68回はアジア系航空会社勤務乗務1年目の鈴木香苗がお送りいたします。
先日、スペイン・バルセロナへのフライトを担当しました。私が勤めるのは香港を拠点とする航空会社。香港からバルセロナは、日本からと同様に、長距離便に該当します。そこで今回は、香港-バルセロナのフライトの長距離便乗務を含む、外資系新人CAの1週間をご紹介したいと思います。
フライト前 同居人でもある同期とのんびり
弊社では、長距離便がある場合、フライト前に2日または3日のお休みを頂くことができます。「じっくり休んでから頑張れ」と言われているような愛を感じるシフトです。今回、この2日間は自宅で過ごしました。
入社2年未満の日本人クルーはみな同じマンションに住んでいるので、同期と夕食を食べたり、マンション周辺を散歩したりしのんびりと過ごしました。友人も家族もいない海外での生活の中で、仲の良い同期は私にとって宝物です。ちなみに、ルームメイトと3人で住んでいるのですが、とても面白い2人なので、次回の担当記事で紹介させていただきたいと思っています!
フライト当日 12時間の機内生活
バルセロナへのフライト当日は23時にブリーフィング開始でした。その1時間前の22時ごろには会社に到着し、フライト情報を確認。身だしなみを整え、22時45分にブリーフィングルームへ向かいました。クルーと機長ら14人全員に自己紹介と握手をし、10分間のブリーフィングを終え、クルー専用のバスに乗り機内に移動します。
機内に入るとたいていは、到着したばかりの飛行機を掃除している清掃員の方々に「HELLO!」と挨拶しながら歩いていくことになるのですが、このとき、掃除機のコードや大量のごみ袋などに足を引っかけて転ぶことも多々あるので要注意です(笑)30分ほどでお客様を迎える準備を済ませると、いよいよ約12時間の機内生活の始まりです!
ドリンクとナッツ、夕食、アイスクリームとコーヒー・紅茶…。ひと通りサービスを終えると、次は自分たちの食事の時間です。エコノミークラスのお食事、余分があるときはビジネスクラスのメニューまで試食させていただけるので新人の私には最高のビュッフェ状態です。
弊社では、クルー同士が「EAT EAT!(食べて食べて!)」と「DRINK!(飲んで!)」と常にお互いを気遣う文化があります。食べないと、「なぜ食べないんだ!」と言われてしまう、まるで相撲部屋のようです(笑) 特に長距離便は、夜中も寝ずに起きているのでお腹が空きます。私は仕事を始めて5キロも太ってしまいました。そろそろ制服がはちきれそうです…。そんなこんなでバルセロナに到着!
ステイ中もやっぱり… バルセロナはレストランの宝庫
スペインに着いたのは現地時刻の朝7時半でした。私はホテルへ向かうバスの中から爆睡してしまうくらい疲れていたのですが、他のクルーは「お腹ぺこぺこだー!」と言いながら、制服のままホテルの朝食ビュッフェへと流れていきました。
そんな元気なクルーを横目に最年少の私はというと、シャワーを浴び、ベッドへと吸い込まれていくのでした。
降機後はクタクタの私でしたが、目覚めるといつもの調子を取り戻します。食いしん坊の私がステイ中、何をするかと言えば、おいしいレストラン探しです。しかもスペインは、タパス、チュロス、パエリアなど、おいしいものであふれています。
目覚めの一食に私が選んだのは、タパスで有名なレストラン「セルベセリア・カタラーナ」です。口コミサイトでは「★4.4」の高評価。レストランのバーにひとりで座り、目の前に並ぶタパスの品々を見て喉を鳴らしておりました。
まずは、赤ワインを1杯と、気になったタパス数品を注文。しばらく雰囲気を楽しみながらお料理を待っていると、日本人の方々が隣にいらしたのに気が付き、私はそのおふたりにおすすめを伺いました。そして、おすすめどおりに白身魚に甘辛ソースのかかった一品と、ガーリックシュリンプを追加注文。この時点でおそらく2人前くらい注文していたのですが、どの料理も最高においしく、一瞬で平らげてしまいました。
大満足&超ごきげんでレストランを出て、次はデザート探し(まだ食べるんかい)。スペインはホットチョコレートに揚げたてのチュロスを付けていただくスタイルが有名です。1軒目のレストランから15分ほど歩き、チュロスをゲットしに行きました。チョコレートは程よく甘く、揚げたてサクサクのチュロスとの相性抜群で最高の夜の締めでした。
こうしてスペイン滞在の2日間は、至るところでほっぺたを落としそうになりながら幸せに過ごしました。
グルメを堪能し、英気を養った後はまた12時間のフライト。お客様を無事に香港までお連れすることができました。
フライト後 自宅をスルーし日本の実家へ
長距離便の後は必ず最低3日の休みが頂けます。3日以上のお休みがあるとき、私は必ず日本の実家へ帰ります。この日も朝7時半に仕事を終え、自宅には帰らずそのまま朝の便で日本へ帰りました。
毎日異なるベッドで寝るため、寝られない夜も多々あるのですが、実家のベッドは格別です。オフは実家でゆっくり休み、家族や友人と過ごしました。
結局は、どこの国へ行っても、何を食べても、やっぱり大切な人たちと過ごす時間が一番幸せだな~としみじみ感じる私なのでした。
【CAのここだけの話♪】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら