CAのここだけの話

「女の園」の裏側 CAはヘビー級のストレスをどう解消しているのか

渡邊真由子

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第74回はアジア系航空会社に勤め乗務4年目の渡邊真由子がお送りいたします。

アジア系航空会社に勤める渡邊真由子さん。韓国で、スーツケースにつけるネームタグをオーダー。このお店のタグはCAに人気。提供:執筆者
韓国でチマチョゴリを着ました。提供:執筆者
アメリカのLAで大好きなピザを食べました。提供:執筆者

 現代社会はストレス社会…仕事でストレスを感じない方は少ないのではないでしょうか。心の疲れは目には見えないけれど、放っておくと大きな病気に繋がりかねません。

 私たちCAが働く世界は俗にいう女の園。「なんだか大変そう」というイメージをお持ちの方も多いと思います。今回はそんな女社会に生きるCAのストレス解消術と、CAの世界の裏側を少しご紹介します。

 1. ONとOFFは別人

 一日に何百人ものお客様と接するCAの日々のストレスは超ヘビー級です。

 私がCAとして大切にしていることの一つは、ONとOFFの切り替えスイッチを持つことです。仲の良いCAの友人を見ていても、その切り替えは素晴らしく、それぞれ独自の切り替え法を実践しています。

 機内では常に“お客様のため”という意識のもと、大変なことや理不尽なこともたくさんあります。しかし、フライトが終わった瞬間から、嫌なことは引きずらず。さっぱりとOFFモードに切り替えて自分の時間を楽しみます。

 仕事中は頭がフル回転していてONモードですよね。特に時間や数字に追われる方、「人からどう見られているか」と常に周りを気にしている方は、ONモードに取りつかれているかと思います。意識的にOFFにしてみましょう。

 例えば私の場合、制服を着たら「CAの自分」、脱いだら「OFFの自分」と分けています。職場から出たらOFF、自宅で部屋着に着替えたらOFF、など自分に合ったOFFスイッチを決めてあげてください。そして、OFFモードになったら仕事のことは一切考えないことが大切です。しっかり休息をとって、次の仕事は集中して頑張る、というライフスタイルがCAのスタイルです。

 2. 頭にきた話は笑い話に変える

 皆さんには思い出すだけでムカムカしたり、落ち込んだりする話はありますか。それをため込んでしまうとストレスになり、OFFモードの大敵となりますよね。

 私だったらそんな話は笑い話に変えちゃいます! CAが集まってワイワイ話すと、大体がフライト中に遭遇したことへの愚痴大会です。○○なお客様がいた、一緒に働いたクルーが○○だった、○○なイレギュラーがあったなどなど、話は尽きません。

 ムカムカする話も失敗した話も、いかに面白く話して笑わせるか、という意気込みで話しています。みんなで腹を抱えて笑うと、あんなにムカついていたのにこんなに笑ってもらえてラッキー! と思えます。そのうえトーク力も成長して一石二鳥です。

 嫌なことがあっても、「ネタを仕入れた!」と思ってみてください。心が軽くなりますよ。

 3. 女の園は意外にも体育会系

 冒頭でも触れましたが、CAの世界は女の園です。女の園というと、陰湿でネチネチとした印象を持たれがちですが、実は真逆。超さっぱりの体育会系なのです。あっさりとした性格の人が多く、怒ったことを引きずりません。

 そんな世界でうまくやっていくために私が実践していることをお話しします。

 一つ目はブリーフィングルーム(フライト前の全体ミーティングをするための部屋)へはお辞儀&挨拶をしながら入る。誰に挨拶をするというわけではありませんが、自分より後に部屋に入ってくる人が笑顔で挨拶をしながら入ってくると、印象がいいですよね。フライトのメンバーは毎回が一期一会なことが多いので、第一印象がいいとフライト中も良い関係を保ちながら仕事ができると私は思っています。

 二つ目は、先輩に対する、「私がやります!」という姿勢。フライトの情報をまとめたり、ギャレー(食事を準備するCAのスペース)にその日の便の資料を貼ったりするのは新人の業務です。それ以外でも先輩が雑務をやろうとしていたら、私はいつも「お手伝いします」や「私がやります」と声をかけています。そうすると「気が利くね、ありがとう」と先輩からの評価も上がりますし、可愛がってももらえます。仕事中は常に周囲に気を配って、自分にできることはないかを意識しています。

 4. 指導は制服着用中に完結させる

 「CAは制服を脱いだら即OFFモード」とお話ししたように、先輩からの指導はフライト中に全て完結させます。理由は、ひとつのフライトが終わったらまたすぐに次のフライトが入っているから。引きずっていられないのです。同じ失敗を繰り返さないためにも「気づいたことはその日のうちに」がCAの基本です。

 これは私の性格かもしれませんが、リアルタイムで指導を受けたほうが素直に聞くことができます。そして怒ったことは引きずらないCAは、指導をしたり受けたりしてもステイ先では一緒に楽しい時間を過ごせます。しっかりと指導はするけれど、制服を脱げばOFFモードで後味さっぱり、というのが私たちCAの世界です。そんなさっぱりした中にもはっきりとした上下関係だったり、常識や気遣いが求められたりするところが体育会系といわれる要素ではないでしょうか。

 いかがでしたか。「CAの世界=女だらけの陰湿な世界」ではなく、割とさっぱりしていてONとOFFをはっきり分けている私たちスタイルを知っていただけましたでしょうか。

 皆さんも、職場を自分が気持ちよく働ける環境にするために、OFFスイッチをしっかり持って、ちょっとの気遣いを心掛けながら日々を過ごしてみてはいかがですか?

岐阜県出身。幼少期の7年を香港で過ごす。大学時代はカナダにて語学留学を経験。大学卒業後、新卒でアジア系航空会社に入社し、勤務4年目。趣味はカフェ巡り、読書、映画鑑賞。最近は美術館の独特な雰囲気に惹かれて、一人で足を運ぶこともしばしば。

【CAのここだけの話♪】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら