5時から作家塾

ネットショッピング 買い物好きのAさんに届いた不思議な種

泉澤義明

 いつもの夕方のニュースを見ていたら、キャスターが「謎の種が全国各地に届いている」と話している。私のところに届いた種もそうじゃないかと心配になった。ネットでよく買い物をするという60代の主婦Aさんにも謎の種が届いたと耳にしたので、その方にお話を聞かせていただいた。

植物防疫に送った謎の種
Aさんに届いた包み
植物防疫に送った謎の種

 「ネットで購入するようになったのは、4年前から。買いに行く手間も省けるのと、近くのお店では買えない商品やお得に買える商品もあるのでよく利用します。食材・生活用品・雑貨など、多い時には1か月で10万円以上の商品をネットで購入します。購入先は大手通販サイト・フリマアプリサイト・広告で出てきた通販サイトなどで特定のサイトでなくいろいろなところから購入します。種が届いた時もあまり気にしていなかったです。どこかのお店が種をプレゼントしてくれたのではないかと思いました。種の種類や植え方の説明書もなかったけれども、時間ができたら鉢でも買って植えようと思っていました」

 ニュースを見てから急に怖くなったAさん、海外からの電話なども最近あったのも関係があるかもしれない、面倒なことに巻き込まれてしまったのでないか? と心配で警察に届け出たそうだ。

 「海外からの電話が2度ほどありました。怖かったので電話には出なかったのですが、局番は後で調べてみるとアイルランドからだったようです。種が送られてきた包みには、私の住所・電話番号も書かれていました。もしかしたら高額請求されているのではないかと思い、カード会社に問い合わせをしました。今のところ購入した商品以外には決済はされていませんでした。警察からは送り付け商法の可能性があるので2週間経ってから処分してくださいと言われました」

 全国各地に届いている謎の種。なぜ送られてくるのか? 送り付け商法ではないか? ブラッシング詐欺ではないか? ブラッシング詐欺とは、ショッピングサイトのレビューや評価を高めることである。多くのショッピングサイトでは、実際に商品が届かないと評価を入れることができないため、不正に入手した個人情報先に勝手に送り付けた後に、購入者になりすまして良い評価やレビューを入れる。現在ネットでの購入はレビューが決め手になることも多く、レビューを信じ購入したところ粗悪な商品が届いたとの被害が出ている。

 全国各地に届いている謎の種、今のところ真実はまだわかっていない。もし、あなたのところに覚えのない商品が届いたらどうすればよいのだろうか。

 覚えのない商品が届いた場合は、何より「受け取らない」ことが大原則。開封をせずに郵便局・運送会社に連絡をして、「覚えがないので受け取らない」旨を伝え、返却する。

 もし開けてしまいその商品が種だった場合、植えることは絶対にしてはいけない。安易に捨てることも控えなければいけない。植物検疫所に相談をする。

 「よく調べてみると危険な種や有害植物かもしれないので捨てずに植物防疫所に相談した方が良いとネットで見たので電話しました。持参するか、郵送で送ってくださいのことでした。送料は自分持ちでしたが、危険なものかもしれないので送りました。なかには送らずにご自身で処分してしまう人もいるのではないでしょうか」と心配していた。

 今回の件で、Aさんはカード会社に番号変更をお願いしたそうだ。誰が何のために送ってきて、個人情報がどこから漏れたのかちゃんと調べてほしい。今後、ネットで買うことは控え、気をつけようと思うと話してくれた。Aさんのように覚えのない商品が届いた場合、個人情報が洩れているのは確実なため、パスワードは変更、アカウント情報も変えたい。ネットで購入する際には、会社名、住所、電話番号を必ず確認し、いつ頃商品が届くかも把握しておく必要がある。少しでも不安があるサイトでは購入しないことだ。(泉澤義明/5時から作家塾(R)

5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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