働き方ラボ

好印象のリモートワークで相手の心を動かす 意識すべき3つのこと

常見陽平

 世の中には「うっとりするような仕事」というものがある。あなたは体験したことがあるだろうか? 唸る企画書、素晴らしいプレゼン、臨機応変な対応などである。社内にしろ、取引先にしろ、プライベートでの買い物にしろ、こういう体験が少ない人はかわいそうだ。大遅刻したのにも関わらず大歓迎される営業担当者、リストラ策の発表をしているのに拍手が起こる経営者もいる。カリスマ性にモノを言わせているだけではなく、提案内容など、仕事の中身が優れているからだろう。

 さて、リモートワークでも「うっとりするような仕事」は可能だろうか? あなたのリモートワークにおける会議の進め方やプレゼンには感動があるだろうか? もちろん、ビジネスに感動は必ずしも必要ない。ただ、とはいえ、印象のよい、気持ちよい仕事を目指したい。そのためのコツを考えてみよう。

 1.自分の仕事の振り返りを

 まずは、自分のオンライン上での仕事を見直してみよう。どのようなオンライン上のコミュニケーション、アウトプットをしているのかを振り返ってみよう。メールを読み返してみる、チャットの履歴を追ってみる、オンライン会議は録画したものを振り返ってみる、などだ。

 担当業務、所属企業や取引先の組織風土、役職などにもよるが、基本、オンラインのコミュニケーションは冗長になってはいけない。丁寧に対応しようとするあまり、単にくどいだけになってしまうこともある。いつの間にか、感じの悪い言い回しになっているかもしれない。

 相手と話が噛み合っていたかどうかもチェックしよう。ログが残っていると、会話も振り返りやすい。相手の意図、真のニーズなども検証してみよう。一度、オンライン上でのコミュニケーションを見直してみよう。まずは、感じの悪い言い回しなどをつぶしていこう。

 2.気持ちいいコミュニケーションをしている人から学ぶ

 「学ぶ」とは「真似ぶ」ことだとよく言われる。気持ちいいコミュニケーションをしている人の良い点を真似てみよう。メールのやり取りにしろ、会議の進め方にしろ、資料の仕上がりにしろ、名人から学ぶことをおすすめする。

 それ以外で参考にするべきものが3点ある。ひとつはウェビナーだ。オンライン上のセミナーである。これが様々な分野で日常的に開催されている。ウェビナーで登壇者がどのようなプレゼンをしているか。チェックをしてみよう。私もいくつかのウェビナーに登壇してきたが、共演者から学んだことといえば、身振り手振りや表情をわかりやすくすること、ポイントをしぼって話すこと、ところどころ議論を整理することである。

 もうひとつが、テレビ番組にオンライン出演している人の言動だ。新型コロナウイルス感染対策のために、この秋になってもオンライン出演の方は多数いる。リアルな場での出演ほどタイミングよくやり取りできない中で、彼ら彼女たちがどのように発言しているかは参考になる。

 そして、もっとも参考になるのはラジオ番組だ。映像がない中で、いかに簡潔かつ具体的に伝えるか、たまたまチャンネルをあわせた人や、仕事中に聞いている人にもわかりやすく、しかも不愉快にさせずに話す技を学ぶことができる。気持ちいいコミュニケーションをしている人から学ぶことにしよう。これで、あなたのオンラインコミュニケーションは一皮むける。

 3.ツールを今一度、見直してみる

 リモートワークのツールを今一度、見直してみよう。もちろん、この手のツールは勤務先から指定されている場合もあり、変更不能の場合もあるだろう。ただ、これらをリモートワーク手当や経費で落とすことも企業によっては可能である。

 実はリモートワークのツールは、今こそ見直す時期なのだ。というのも、3月から6月にかけて、リモートワーク特需ともいえる状態で、ウェブカメラやマイクなどが品薄になっていた。コスパが高いもの、性能やデザインがよいものなどは売り切れになったり、転売などで不当に値段が上がったりしていた。最近は在庫も価格も安定していると感じる。

 私は今のPCに内蔵されていても、すでに購入していても、ウェブカメラとマイクを見直すことを強くオススメする。というのも、これらにあえて投資するリターンは極めて大きいからだ。高性能のPCでも、この部分は弱いということもある。私はPC、スマホ、タブレットなどすべてApple製品を使っている。大変に満足しているのだが、Macに関して数少ない不満な点が、内蔵カメラが一世代前の仕様だということだ。フルHDで撮影することができないのだ。あえて外付けのものを追加したら、極めて快適になった。マイクも外付けにすると一気に音質がよくなる。なお、カメラを外付けにすると、撮影する角度の自由度も増す。これだけ一気におしゃれになる。

 他、余裕があれば、仕事で使うアカウントのプロフィール写真も見直してみよう。多くの人が、とりあえずスマホで撮ったような写真を使っている。ここに力を入れるだけで印象アップだ。

 何より、仕事のアウトプットに磨きをかけなくてはならない。ただ、オンライン時代は仕事のログもとりやすいので、振り返りがしやすくなる。オンライン上での「うっとりするような仕事」を目指そう。

常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部准教授
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部准教授。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

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