世の中には「うっとりするような仕事」というものがある。あなたは体験したことがあるだろうか? 唸る企画書、素晴らしいプレゼン、臨機応変な対応などである。社内にしろ、取引先にしろ、プライベートでの買い物にしろ、こういう体験が少ない人はかわいそうだ。大遅刻したのにも関わらず大歓迎される営業担当者、リストラ策の発表をしているのに拍手が起こる経営者もいる。カリスマ性にモノを言わせているだけではなく、提案内容など、仕事の中身が優れているからだろう。
さて、リモートワークでも「うっとりするような仕事」は可能だろうか? あなたのリモートワークにおける会議の進め方やプレゼンには感動があるだろうか? もちろん、ビジネスに感動は必ずしも必要ない。ただ、とはいえ、印象のよい、気持ちよい仕事を目指したい。そのためのコツを考えてみよう。
1.自分の仕事の振り返りを
まずは、自分のオンライン上での仕事を見直してみよう。どのようなオンライン上のコミュニケーション、アウトプットをしているのかを振り返ってみよう。メールを読み返してみる、チャットの履歴を追ってみる、オンライン会議は録画したものを振り返ってみる、などだ。
担当業務、所属企業や取引先の組織風土、役職などにもよるが、基本、オンラインのコミュニケーションは冗長になってはいけない。丁寧に対応しようとするあまり、単にくどいだけになってしまうこともある。いつの間にか、感じの悪い言い回しになっているかもしれない。
相手と話が噛み合っていたかどうかもチェックしよう。ログが残っていると、会話も振り返りやすい。相手の意図、真のニーズなども検証してみよう。一度、オンライン上でのコミュニケーションを見直してみよう。まずは、感じの悪い言い回しなどをつぶしていこう。
2.気持ちいいコミュニケーションをしている人から学ぶ
「学ぶ」とは「真似ぶ」ことだとよく言われる。気持ちいいコミュニケーションをしている人の良い点を真似てみよう。メールのやり取りにしろ、会議の進め方にしろ、資料の仕上がりにしろ、名人から学ぶことをおすすめする。
それ以外で参考にするべきものが3点ある。ひとつはウェビナーだ。オンライン上のセミナーである。これが様々な分野で日常的に開催されている。ウェビナーで登壇者がどのようなプレゼンをしているか。チェックをしてみよう。私もいくつかのウェビナーに登壇してきたが、共演者から学んだことといえば、身振り手振りや表情をわかりやすくすること、ポイントをしぼって話すこと、ところどころ議論を整理することである。
もうひとつが、テレビ番組にオンライン出演している人の言動だ。新型コロナウイルス感染対策のために、この秋になってもオンライン出演の方は多数いる。リアルな場での出演ほどタイミングよくやり取りできない中で、彼ら彼女たちがどのように発言しているかは参考になる。
そして、もっとも参考になるのはラジオ番組だ。映像がない中で、いかに簡潔かつ具体的に伝えるか、たまたまチャンネルをあわせた人や、仕事中に聞いている人にもわかりやすく、しかも不愉快にさせずに話す技を学ぶことができる。気持ちいいコミュニケーションをしている人から学ぶことにしよう。これで、あなたのオンラインコミュニケーションは一皮むける。
3.ツールを今一度、見直してみる
リモートワークのツールを今一度、見直してみよう。もちろん、この手のツールは勤務先から指定されている場合もあり、変更不能の場合もあるだろう。ただ、これらをリモートワーク手当や経費で落とすことも企業によっては可能である。
実はリモートワークのツールは、今こそ見直す時期なのだ。というのも、3月から6月にかけて、リモートワーク特需ともいえる状態で、ウェブカメラやマイクなどが品薄になっていた。コスパが高いもの、性能やデザインがよいものなどは売り切れになったり、転売などで不当に値段が上がったりしていた。最近は在庫も価格も安定していると感じる。
私は今のPCに内蔵されていても、すでに購入していても、ウェブカメラとマイクを見直すことを強くオススメする。というのも、これらにあえて投資するリターンは極めて大きいからだ。高性能のPCでも、この部分は弱いということもある。私はPC、スマホ、タブレットなどすべてApple製品を使っている。大変に満足しているのだが、Macに関して数少ない不満な点が、内蔵カメラが一世代前の仕様だということだ。フルHDで撮影することができないのだ。あえて外付けのものを追加したら、極めて快適になった。マイクも外付けにすると一気に音質がよくなる。なお、カメラを外付けにすると、撮影する角度の自由度も増す。これだけ一気におしゃれになる。
他、余裕があれば、仕事で使うアカウントのプロフィール写真も見直してみよう。多くの人が、とりあえずスマホで撮ったような写真を使っている。ここに力を入れるだけで印象アップだ。
何より、仕事のアウトプットに磨きをかけなくてはならない。ただ、オンライン時代は仕事のログもとりやすいので、振り返りがしやすくなる。オンライン上での「うっとりするような仕事」を目指そう。
【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら