SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第94回は外資系航空会社で乗務する神原李奈がお送りいたします。
新型コロナウイルスの影響により、航空業界は打撃を受けています。少しずつフライトの数は増えつつありますが、いまだに自宅での時間は多いのが現状です。今回は、新型コロナウイルスにより変わった、客室乗務員の生活をご紹介します。
オフィスに出勤しながら、栄養士としても活動
わたしの場合、通常では大体多くて月の半分ほどフライトで家をあける生活でした。それが、この半年ほどは一切フライトがなく、自宅で過ごす時間が多くなりました。客室乗務員の仕事以外にも栄養士として働いているため、フライトがない時は基本的には週に1~2回、航空会社のオフィスに出勤し、その他の時間は自宅で作業をしています。それでも以前よりは時間があり、今まで忙しくてできなかったことに時間を充てられるようになりました。
機内サービスの向上 おうちごはんで実践する工夫
以前よりも自宅で食事をする機会が増え、毎日の献立を考えたり買い出しに行ったりと、主婦であれば当たり前にしていたことに時間や手間をかけられるようになりました。
ときには、ミシュラン星付きレストランのテイクアウトディナーのサブスクリプションサービスを利用し、プロのお料理を楽しむこともあります。
ビジネスクラス以上になると、機内食の盛り付けも一部を客室乗務員が行います。上手に盛り付けるためにはもともとのセンスも関係あると思いますが、日頃のインプットや練習の積み重ねが大切です。テイクアウトの食事は、調理の手間が省け美味しい料理をいただけるだけでなく、盛り付けの練習にもなり、スキルアップにちょうど良いです。
コロナ太り対策で一石三鳥!?
客室乗務員の仕事は、おそらく皆さんが想像している以上に体力を使う仕事です。
機内では、離陸と着陸の時間以外は、立っていることがほとんどです。重い荷物を運ぶ、色々な場所に収納されている物品を取るためにしゃがんだり立ったりを繰り返すなど、とにかく足腰が鍛えられます。しかも、それをヒールのあるパンプスを履いて、数時間から十数時間行うのです。慣れていてもさすがに長時間のフライトだと、足の裏が痛くなることもあります。このように、フライトがあればそれだけでも十分な運動になります。
そのため、今回のように、フライトの数が減ったり、なくなったりすると、運動量がいっきに減ってしまい、いわゆる“コロナ太り”もしやすくなります。健康維持の観点だけでなく、いつフライトに戻っても良いように、トレーニングの回数を増やし、できるだけ外を歩くようにしています。
トレーニングは、Zoomを使用したオンラインでのレッスンを週に2回受けています。以前は忙しくて頻繁に受けられなかったレッスンですが、定期的に受けることで明らかに体が変わりました。筋肉・体力もつき、代謝も良くなった気がします。
さらに、わたしは犬を飼っているので、時間があるときはなるべく犬の散歩をするようにしています。今年の夏は暑かったので、マスクをしながらの散歩は息苦しく大変でしたが、外に出て気分転換にもなりますし、犬も喜び、一石三鳥になるほどでした。
一番の変化! 家族との時間が増えた
新型コロナウイルスの影響で一番変わったのは、家族との時間が増えたことです。きっと多くの方がリモートワークの機会が増え、同じように自宅での時間、家族との時間が増えたのではないででしょうか。フライトが減ってしまったことは残念ですが、家族と過ごす時間が増えたのはとても嬉しいです。
わたしは2年前に結婚しましたが、フライトがある間は家を空けていました。フライトがない期間も、土日休みで平日は忙しい夫とゆっくり話す機会があまりありませんでした。新型コロナウイルスにより夫の働き方にも変化があったということもありますが、いっしょに夕食を食べたり、話をする時間も増え、夫婦らしい生活ができている気がします。
また、あらためて家族の大切さを実感し、新型コロナウイルスで失ったものよりも得たものが多いように思います。
今後も新型コロナウイルスの影響はまだまだ続きそうですね。少しずつ経済は再開していますが、生活がいっきに元通りになるとは思えません。ただ、この時間も無駄にせず、今できること、与えられた環境を大切に、過ごしていきたいと思います。
【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら