5時から作家塾

育休中も充実へ! 自宅でスキルアップできるサービスが大人気

吉田由紀子

 最近、育児休暇の過ごし方が変わりつつある。育児だけでなく、休暇を活用してスキルアップを図る女性が増えているのだ。

 そんな状況を背景に、育休中の女性を応援するサービスが注目を集めている。それがFamm(ファム)ママ専用スクール。自宅にいながら、1カ月間でWEBデザインをはじめとするITスキルの基礎が学べるとあって、2019年3月のスタート以来、すでに2000名を超すお母さんが受講している。

 育休中であることを配慮して、1回のレッスンは平日午前中の3時間に限定。全5回のカリキュラムで、WEBサイトの仕組みから、htmlやcssのマークアップ言語、画像編集などを習得する。すべてオンラインで受講できるため、外出しなくても大丈夫。さらに無料のベビーシッターサービスが用意されており、お子さんを気にせずに授業に集中することができる。

 荒川咲幸さんは、3歳と7カ月の息子さんを育てているお母さん。育休中にスキルを身につけて将来に備えたいと、今年3月から講座を受講している。

 「夫が海外勤務になる可能性がありますので、海外でもできるWEBデザインを学びたいと思い受講しました。まだ2回レッスンを受けたばかりですが、先生の指導がていねいで分かりやすいです。WEBデザインは専門学校へ通うものだと思っていましたが、オンラインで学べるのはありがたいですね」(荒川さん)

 なぜWEBデザインが、お母さんたちの人気を集めているのだろうか。その理由を運営元、株式会社Timers(タイマーズ)代表取締役の田和晃一郎さんに聞いてみた。

 「IT化が進み、いまや規模を問わず多くの会社・団体にもWEBサイトやデジタルマーケティングは必要です。そのためサイトの実装や修正、バナー広告制作まで手がけるWEBデザイナーの需要が高まっています。内職などの在宅ワークに比べると時間あたりの単価が相対的に高い上に、自宅でできる仕事です。育休中に柔軟性のあるキャリアを目指したりスキルを身につけたいというお母さん方にも適していると考えました」(田和さん、以下同)

 子育てをしている女性に限定しているが、年齢制限は設けてない。たとえお子さんが高校生であっても受講はOKだ。

 「一般的なWEBデザインの専門学校ですと、短くても3カ月、長いところだと半年のカリキュラムになっています。しかし、当スクールは実践で使える内容に絞って、授業だけではなく課題や復習も毎日行うことが前提のカリキュラムとして1カ月で学ぶことができるようにしました」

 8名の少人数制になっており、授業中に分からないところがあれば、いつでも講師に質問ができる。また授業の様子は動画で配信されるので、いつでも好きな時間に復習が可能。こういった手厚いサポートにより、1カ月という短期で基礎を学ぶことができるわけである。

 「Facebookに専用グループを作っており、受講生がアドバイスや情報交換をしていますので、ママ同士の繋がりが生まれたり、お互いに切磋琢磨できる環境にもなっています」

 気になるのはベビーシッターサービスだが、どんな仕組みになっているのか。

 「受講生が住むエリアによって、2つの方法でご提供しています。東京をはじめとする関東圏、大阪、名古屋、福岡などの都市圏にお住まいの方には、当社がベビーシッターをご自宅に派遣します。行政に届出を提出済で一定の経験をお持ちのシッターです。一方、地方にお住まいの場合は、受講生に手配してもらいます。一時的に費用を立て替えていただきますが、後日、お支払い致します。また、ご家族に預かっていただいた場合も、相応の費用をお支払いしています。なぜ無料で提供しているかと言いますと、お子様をどこかに預けるよりも、自宅のすぐそばで見てくれる方がお母さんが安心して過ごせると考えたからなのです」

 「他のスクールと違って」

 講座修了後、さらに本格的な技術を学びたい人には、動画制作やワードプレス構築など、中級クラスを無料で受講できる。特に動画制作はYouTube人気の高まりで需要が増えているため、高収入につながる可能性がある。

 「他のスクールと違って、弊社は修了後の仕事を保証しています。まずはバナー作成や1ページのサイトといった簡単な案件から紹介をします。受講生1人につき最大5件まで仕事を紹介しており、実績をWEBサイトに掲載できるようにしており、クライアントからの発注につなげています」

 修了生は様々な分野で活躍している。2019年に修了した佐久間直未さんは、最初はITに疎かったものの、受講を通してスキルを身につけた。今ではYouTubeのサムネイル画像や小規模Webサイト作成を行なっている。

 「最初は自信がありませんでしたが、ていねいに教えていただき、フリーランスとして働けるようになりました。いまは2歳の息子の育児をするかたわら、1日4時間程度働いています。実績を積んで自分の得意な分野を伸ばしていきたいです」(佐久間さん)

 「育休中ですが社会とつながっていたいと思い受講しました。最初はパソコンの使い方自体がよく分からなかったのですが、受講するにつれてできることが増えて、楽しかったです。いまは名刺やバナー作成などを行なっています。子どもを無料で見てもらえるベビーシッターサービスがとても助かりました」と話してくれたのは、4歳のお子さんを育児中の佐藤希枝さん。昨年3月に修了し、自宅で毎日6時間程度デザイン作業を行なっている。ちなみに平均月収は15万円ほどだそうだ。

 広がる育休の可能性

 厚生労働省の審議会は、いま育児休暇のあり方を見直す方向で動いている。母親が2回に分けて育休を取得できるように制度を改正し、夫婦で交互に育休を取ることも視野に入れている。実現すれば、育休の可能性が広がりそうである。

 Timers社自体も育児休暇の取得に関しては、率先して制度を改めている。

 「弊社では女性社員だけでなく、男性社員にも7日間以上の育児休業取得を義務化しています。さらに1カ月以上の取得を推奨しており、育休を取得するすべての従業員が取得前に比べて収入が減少しないように補助制度を改定しました」(Timers田和さん)

 諸外国と比べ育児休暇の取得率が低いと言われる日本だが、ようやく気運が上向いてきた。育児休暇をより充実した時間にする。こういった過ごし方が、これからの時代のスタンダードになっていくのではないだろうか。(吉田由紀子/5時から作家塾(R)

5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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