CAのここだけの話

「優雅」というイメージを覆す? CAに多いのは実はこんな人

神原李奈

 SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第113回は外資系航空会社で乗務4年目の神原李奈がお送りいたします。

外資系航空会社で日本人CAとして勤務する神原李奈さん。CAのかたわら、栄養士としても活動中。提供:本人
オランダの丘の上からの景色。赤い屋根と遠くに見える海が美しい。提供:執筆者
アメリカ・ラスベガスの夜。ネオンが華やか。提供:執筆者
イタリア・サルディーニャ島のビーチの入り口。看板がかわいい。提供:執筆者
イタリア・サルディーニャ島のビーチ。白砂と透き通った水が綺麗。提供:執筆者

 突然ですが、皆さんはCAに対してどのようなイメージをお持ちですか? 世間では、美人、気が利く、優しい、上品、清楚…など良いイメージを持たれることが多いCA。なかには、意地悪な人がいそうとか、女社会でいじめや仲間外れがありそうとか、マイナスなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。今回はCAに多い特徴について、ご紹介していきます。 

心配りができる人 参加者全員がほっこりする行動

 CAに対してポジティブなイメージがあれば、容易に想像できそうな特徴の一つですね。日頃から、おもてなしの気持ちを持って働いているからこそ、当たり前に心配りができるCAは多いです。

 例えば、誕生日や結婚・出産など誰かのお祝いで集まる時、主役にプレゼントを用意するのは自然なことですよね。そんなとき、心配りができるCAは、主役だけでなく、他の参加者にもプチギフトを渡すのです。

 それも仰々しいものではなく、気を遣わせないようなものであることがポイントです。ちょっと高級なお菓子や紅茶など、普段自分では買わないけれど、もらったら嬉しいものを選んでプレゼントしてくれます。

 また、前に勤めていた航空会社では、休みの間に旅行に行った同期や先輩、後輩が会社のメールボックスにお土産を入れてくれることがありました。そういう時は、お土産だけがポンっと入れられているのではなく、可愛いメッセージカードが添えられていることが多かったです。フライトから帰ってきてメールボックスを開けた時、心がほっこりした思い出があります。

一人飲みもOK? お酒が強い、好きな人

 意外と思われるかもしれませんが、お酒が強く、お酒好きなCAは多いです。

 今は飲酒に関するルールが厳しくなっていますが、以前はステイ先で飲食店やホテルの部屋に集まって、お酒を楽しむ機会もありました。なかには、ホテルの部屋で、一人でお酒を楽しむタイプのCAもいるくらいです。また、機内でもワインやシャンパンなどお出しするため、知識豊富な人も多いです。ソムリエの資格を取る人もいます。

真面目で勉強熱心な人 情報を日々アップデート

 CAは華やかな仕事に見えて、仕事をする上で様々な知識が必要なため、真面目で勉強熱心なCAが多いです。

 CAとして独り立ちするまでに、入社してすぐにまずは新入訓練を受けます。飛行機や設備のこと、保安のこと、機内でのサービスなど、マニュアルに沿って勉強していきます。

 独り立ちしたあとも、国際線乗務のための訓練、ビジネスクラスやファーストクラスを担当するための訓練、毎年行われる緊急時の訓練など、入社して何年経っても、ステップアップや知識・スキルキープのための訓練が続きます。

 一つ一つの訓練をクリアするためには試験があり、その試験は正答率100%を求められます。正答率が低いと当然不合格となり、インストラクターによる個別面接があることもあります。そのため、毎回、しっかりと勉強する必要があるのです。

 さらに、機内サービスの内容(路線や月によって変わります)やマニュアルの内容などは日々更新されます。業務連絡を確認することはもちろんのこと、自分から追加して必要な情報を集めなければいけません。とくに機内食のメニューは、お客様に聞かれてもきちんとお答えできるように、事前に調べる必要があります。ただ内容を知っているだけでは、意味がないのです。

 CAというと、接客業のイメージが強く、感じが良く気配りができればなれるのでは? と思われることもあります。しかし、実際のところ、勉強が苦手な人はやっていけないと思います。

 日々のフライトや訓練などの勉強だけでなく、プライベートでも、興味のある分野や仕事に活かせそうなことを勉強する人もいます。先ほども触れたソムリエの資格や第3外国語の勉強、フード系の資格の勉強などです。好奇心や向上心が強い人も多いように感じます。

サバサバ体育会系な人 フライト中と後でメリハリ

 「女社会」と聞くと、いじめや仲間外れなど陰湿でネチネチしたネガティブなイメージを持たれる方もいらっしゃると思います。大手企業では何千人もCAが所属しているため、一部そういう人もいますが、CAのほとんどはサバサバとした性格です。

 フライトでは厳しく指導してくださる先輩も、フライトのあとは気さくに話しかけてくださり、ステイ先で食事や買い物に一緒に行くこともあります。同期同士でも、仲間外れやいじめがあるといった話は聞いたことがありません。

 また、会社にもよりますが、私が勤めていた大手航空会社は、体育会系でした。基本的には年功序列、上下関係もしっかりありました。優雅なCAのイメージとは違い、実際はチャキチャキと機敏に動くことが求められている仕事です。私は体育会系の部活出身なので、違和感をもったことはないですが、お客様からすると意外かもしれません。

 先ほどお伝えしたように、大手航空会社には何千人ものCAがいますので、当然上記に当てはまらないタイプの人もいます。今回は私が思いつく範囲での特徴をご紹介しました。CAへのイメージ変わりましたか? 意外な点もあったのではないでしょうか。

青山学院大学英米文学科卒。日系航空会社の客室乗務員として4年間勤務した後、外資系航空会社に転職し乗務4年目。不規則な食生活から、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。日系航空外会社を退職後、大手料理教室の講師の経験を経て、得意だったパン作りを活かし、パン教室「りなぱん~手ぶらでおうちパン教室~」を開く。栄養士養成専門学校に通い、栄養士免許も取得。現在は客室乗務員をしながら、栄養士として栄養指導、健康や美容・食に関する情報を発信している。

【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら