勤労統計、昨年の実質賃金0・2%増 野党側の求め公表せず

 厚生労働省は8日、賃金や労働時間の動向を把握する「毎月勤労統計」の平成30年分と同年12月分の結果速報を公表した。同年の名目の現金給与総額(基本給や残業代などを含む賃金)はボーナス増加の影響により、1人当たり月平均32万3669円(前年比1・4%増)で、5年連続で増加。物価変動の影響を考慮した実質賃金は前年比0・2%増えた。実質のプラスは2年ぶり。ただ、野党側が求めている算出方法での実質賃金の伸び率は「検討中」として、公表しなかった。

 調査によると、基本給などの「所定内給与」が0・8%増の24万4733円、残業代などは0・7%増の1万9900円、ボーナスなどは3・7%増で5万9036円だった。30年12月分の名目賃金は前年同月比1・8%増の56万7151円、実質賃金は1・4%増だった。

 昨年12月に不適切調査が発覚してから、初の年次公表。昨年1月に調査手法を変更し、対象の事業所を入れ替えたことで、新たに対象にした事業所も含めた「公表値」と、昨年調査し入れ替えなかった共通の事業所だけを調べた「参考値」の2つの名目賃金の伸び率を算出している。

 野党側は共通の事業所の参考値を独自に算出した結果、30年は前年比で0・4%程度マイナスになっているとして、「アベノミクス偽装だ」と批判。厚労省側に公表を求めてきた。