安倍首相、連日の謝罪と撤回要求 韓国議長発言に

米ワシントンを訪れた韓国国会の文喜相議長(左)=12日(聯合=共同)
米ワシントンを訪れた韓国国会の文喜相議長(左)=12日(聯合=共同)【拡大】

 安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、慰安婦問題について天皇陛下による謝罪で問題が解決するとした韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長の発言に関し「多くの国民が驚きや怒りを感じた。文議長はその後も同趣旨の発言を繰り返しており、極めて遺憾だ」と重ねて強調し、12日に続き謝罪と撤回を求める考えを示した。

 慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した平成27年の日韓合意を踏まえ、首相は「政権が代わったからといって、国と国の約束が覆されるようになれば関係が成り立たなくなる」と批判した。

 河野太郎外相は文議長の発言に関し「韓国側に5回ほど抗議し、謝罪や撤回を申し入れた」と明かした。現時点で韓国側の反応はないとしつつ、「わが国の厳しい立場を伝達している。韓国側から誠意ある対応があるものと期待し、注視したい」と語った。

 首相は自衛官募集の自治体の協力に関し「(防衛省側は)住民基本台帳を閲覧し膨大な情報を手書きで写している。6割以上で協力を得られていないのはファクト(事実)だ」と主張した。「自衛隊は助けを求める自治体があれば駆け付け、献身的な働きをしている。誠に残念と言わざるを得ない」と述べた。憲法改正で自衛隊を明記すれば「そういう空気は大きく変わっていく」とも訴えた。

 千葉県野田市の小4女児死亡事件に関しては、子供に対する親の「懲戒権」を認めた民法の見直しを検討する考えを示した。「規定のあり方について法務省に検討させたい」と述べた。民法は、親が教育などのため必要な範囲で子を懲戒できると規定しているが、虐待の正当化に利用されるとの質問に答えた。

 根本匠(たくみ)厚生労働相は統計の不適切調査問題を受け、実質賃金などの統計のあり方に関し、専門家による検討会を省内に新設すると明かした。与野党は18日に衆院予算委で統計問題に関する集中審議を行うことに合意した。