社長を目指す方程式

狙い通りの結果を手に入れる アリストテレスから学ぶ「3つの会話法」 (3/4ページ)

井上和幸
井上和幸

 私なりに少し表現を変えて解釈すれば、何か起きたことなどについて自分のレビューをしたいときには、過去形を使って自分の評価を述べます。「あのプレゼンテーションはとても良かったよ」「今回の商談は、ちょっと頂けなかったな」などなど。過去形は結局のところ、自分の評価~良かった・悪かった、善だと思う・悪だと思う~を相手に伝えています。ここには、相手が同じ評価をしているか否かは別として、話者としてのあなたの評価にはもはや議論の余地なし、です。

 一方で、自分と相手の評価をすり合わせたい、あるいは相手の評価を聞きたい場合は、現在形で自分の意見やレビューを述べます。「あのプレゼン、僕はとても良かったと思っているけど、○○さんはどう思う?」「今回の商談のでき、あまりに的を外していたと思うぞ」。現在形は、評価や価値観のキャッチボールを行なっています。それが吉と出るか、凶と出るのか(意見の一致を見るのか、対立するのか)は、お互いがどう思っているかの出たところ勝負です。

ビジネスにおいて圧倒的に有利な会話法とは?

 私たちビジネスパーソンとしては、仕事上での会話や議論、プレゼンテーションなどは、基本的には建設的な合意を得たいものがほとんどです。そこで法廷のレトリック(過去形の会話)や演示のレトリック(現在形の会話)で会話していると、こちらの主張ははっきりしますし、相手の考えも明確化することはできますが、必ずしもそれが前向きな、コミュニケーションとしても気持ちの良いものにはなりません。

 そこで登場するのが、3つ目のレトリックです。

今回の社長を目指す法則・方程式:

アリストテレス「法廷のレトリック、演示のレトリック、審議のレトリック」

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