書評

『誰も農業を知らない』有坪民雄・著

 □『誰も農業を知らない プロ農家だからわかる日本農業の未来』

 ■農家が語る現場目線の未来論

 日本農業の危機が叫ばれる中、大規模農業化や6次産業化、無農薬栽培化といった農業改革案が盛んに語られている。しかし著者は、こうした改革案を「農業を知らない」人たちによる神学論争だと断じ、この状況こそが日本農業をつぶすと警鐘を鳴らす。

 著者は大学で経営学を学び、経営コンサルタント会社で働いた経歴も持つ専業農家。未来の農業プランとして「遺伝子組み換え作物の栽培実現」「兼業農家育成」「食育推進」なども提唱する。

 現場目線で率直かつ明快に説く日本農業論には説得力があり、就農希望者の入門書にもなるだろう。(原書房、1800円+税)

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