キャリア

日本の飲み会文化に一石 大手銀行女性役員の挑戦「勤務時間内で勝負する」 (1/3ページ)

 三菱UFJ銀行の南里彩子執行役員は、1998年大みそかのことを今でも覚えている。NHKの紅白歌合戦で1年の出産休業を終えた人気歌手、安室奈美恵さんが、観客から「お帰りなさい」と歓声を受けていた。結婚が決まっていた南里氏は、自分が出産を経て職場に戻ったとき同じように歓迎してもらえるのだろうかと考え涙が出たのだという。

 男女雇用機会均等法施行から12年たっていたが、国内の大企業には女性管理職で子育てと仕事を両立しているロールモデルはほとんどいなかった。南里氏は、部内の飲み会やゴルフに積極的に参加し、「男社会で一緒に闘おう」と意気込んでいた頃で、当時の上司が、将来子供を産んでも同じように働くつもりかと尋ねてくることに反感すら抱いていた。

 28歳で結婚し、2人の娘に恵まれた。出産後、働き方は百八十度変わった。以前、職場の飲み会終了まで使えていた自分の時間は、保育園のお迎えや家事、食事の準備に充てることになった。

 「予測できる仕事を全て前倒しでこなしても、同僚の助けは必要となる」と痛感した南里氏が向き合ったのは、ただ手伝ってもらうことではなく、周囲に積極的に関わってもらうことだった。作業を一定程度進めてから仕上げをお願いしたり、急ぎでない案件に先回りして手を打ったりするなど、「舞台回しの訓練を重ねた」ことで、同僚一人一人の立場に配慮する重要性を学んだ。

 勤務時間内で勝負

 昨年、三菱UFJ銀行として2人目の女性執行役員となった南里氏は、自身の経験をマネジメントスタイルに反映させている。その一つが、コミュニケーションの場を終業後の飲み会としないことだ。

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