経済インサイド

匠の技をデータと映像で継承、「アグリラーニング」に注目 (2/3ページ)

 各地から視察団が、門井氏の農園を訪れる。説明に耳を傾けながらビデオで門井氏の手の動きなどを撮影し、一定の収穫量を実現できるよう、作業の適期管理を学んでいる。

 ジャストフレームは、こうした技術を自宅にいながらパソコンやスマートフォンで習得できるようにした。同社は、定点収録用カメラ「アグリフィクサー」と、手元や目線の先を記録するカメラ「マルチムーバ-」を無償で提供。作業の始終を逃さず記録して配信する。生中継された動画のほか、録画映像を何度も見ることで作業を納得いくまで確認できる。

 この事業を監修した、はせがわ農園(埼玉県行田市)の長谷川浩代表取締役は「適期管理に勝る栽培技術はない。ナシとともに歩んで60年の門井氏の技術は宝の山であり、後世に残すには動きを丸ごと撮影して記録する必要がある」と指摘する。

 提案を受け入れた門井氏の息子、馨一氏(50)は「樹木の成長状況を観察できるので、今やっている作業がナシの木にどう影響するか分かりやすい。経験の浅い就農者でも技術を習得しやすくなる」と期待を寄せる。

 同社は4月から本格的に事業展開し、篤農家へは技術継承の重要性を訴えてカメラの設置を要請している。農家や農業普及指導センターなどには、教材としての活用を呼びかけていく。契約料(視聴料金)は年間15万円。意欲ある農業の担い手を育てるため、学生や新規就農者、外国人労働者の研修用として活用してもらう。

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