社会・その他

東郷証券の損失補填、背景にFX特有のうまみ (1/2ページ)

 外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける東郷証券(東京都港区)が顧客の損失を補填(ほてん)したとして、金融商品取引法違反(損失補填)容疑で同社取締役、林泰宏容疑者(58)=東京都渋谷区=ら4人が20日、東京地検特捜部に逮捕された。損失補填は、バブル期に株取引をめぐり大手証券会社などで社会問題化したが、今回の舞台はFX。背景には、取扱業者が多額の収入を得られるFX特有の“うまみ”がある。

 逮捕容疑は平成29年10月~今年1月、損失を補填するため顧客4人に計約6200万円を提供したほか、28年7月~30年12月、別の顧客4人の口座に取引を装って約700万円を入金するなどして損失の穴埋めをしたとしている。

 株価が高騰して取引が活発だったバブル期には、手数料収入を稼いだ大手証券会社が大口顧客に損失を補填していた。

 変動する為替相場を利用して日本円と米ドルなどの通貨を売買して利益を得るFXでは、顧客からの手数料がゼロでも、取引コストとなる売値と買値の差が業者の実質的な収入となる。ある市場関係者は「FXで数千万円の損失を出す顧客はざらにいるが、損金の大部分が業者に渡っていることもある」と指摘する。

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