社会・その他

米中貿易戦争にビクともしないハリウッド、対する中国映画業界は青色吐息 (2/3ページ)

 また、中国の大手ネット企業、テンセントは2015年、米男子プロバスケットボールリーグ、NBAの試合やそれに関連するコンテンツを中国でネットで流す権利を5億ドル(約550億円)で購入。NBAは中国で最も人気のあるスポーツとなり、2017年には約1億7000万人がその試合をネットで視聴。テンセントは抜け目ない投資を行ったと評価します。

 さらに、米中の貿易戦争が激化しているにもかかわらず、ハリウッド映画や米国旅行の人気は一向に衰えておらず、今年2月上旬の春節(旧正月)の連休期間中、米は最も人気のある海外の旅行先で、昨年、ロサンゼルスを訪れた中国人は前年比で6.9%増加したといいます。

 つまり、米中貿易戦争が激化・長期化しても、中国でハリウッド映画の人気は依然として高く、中国の映画業界は安泰というわけですが、実はそうではなかったのです。

 5月21日付の英経済紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、この10年で急拡大を遂げた中国の映画市場ですが、当局による脱税の取り締まりや、国内の景気減速に歯止めをかけるための「シャドーバンキング(銀行ではなく、証券会社やヘッジファンドなどが行う金融仲介業務)」への締め付け、そして消費支出の低迷などにより、中国の映画製作者たちが深刻な資金不足に直面しているというのです。

 1994年設立の中国最大の映画制作会社「フアイ・ブラザーズ・メディア(華誼兄弟)」は昨年、ここ10年で初めて利益が出ず、10億9000万元(約170億円)の損失を計上しました。昨年は、他の上場映画会社14社のうち、11社でも利益が減少したといいます。今年4月に北京で行われた映画祭の委員長、リン・チャン氏は「荒々しい成長の時代は終わった」とつぶやきました。

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