書評

『社会のなかのコモンズ 公共性を超えて』待鳥聡史、宇野重規 編・著

 ■国家と個人の間の持続的利益

 最近、さまざまな社会科学分野で話題に上るコモンズという概念。もともとは共有牧草地という意味の歴史ある言葉だが、近年は皆が利用できる社会的共有財産という広い意味でとらえ直され、思想的に活用されることになった。

 コモンズは国家と個人の中間にあり、各利用者が独り占めを避け適切に管理すれば、持続的に利益をもたらす。この概念は、個人の欲望を認めつつ私権の過剰を抑制し、上からではない秩序を生み出す点で“使いで”があるのではないか-。政治学、思想史、経済学などの俊英8人が、それぞれの専門分野で可能性を探る刺激的論集。(白水社、2400円+税)

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