書評

『六角定頼 武門の棟梁、天下を平定す』村井祐樹・著

 ■忘れられた一族の栄光と没落

 近江の戦国大名、六角(ろっかく)定頼(1495~1552年)。名前も聞いたことがない人がほとんどだろうが、実は織田信長が台頭する1つ前の時代に室町幕府を支えた中央政界の最重要人物だった。近年の戦国研究によれば、当時の「天下」とは畿内の数カ国を指す言葉にすぎず、「天下人」も京都と将軍を守護して幕政を領導する者を指す概念だったとされる。その意味では最盛期の定頼は立派に「天下人」だった、というのが本書の主張だ。六角氏研究の第一人者である東大史料編纂(へんさん)所准教授が、史料を駆使して忘れられた六角一族の栄光と没落に迫る。(ミネルヴァ書房、3500円+税)

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