社会・その他

「それでも描き続けるしかない」 京都アニメーション創業者の兄がエール (1/2ページ)

 長屋の一角で始めたアニメ制作の下請けから、世界で評価される制作会社に成長した「京都アニメーション」(京アニ、本社・京都府宇治市)。放火殺人事件という未曽有の危機に見舞われたが、京アニ創業者の兄、杉山卓さん(82)=浜松市=は「それでも描き続けるしかない」と復活にエールを送る。

 「現在の本社の場所にあった二軒長屋に、社長夫婦が引っ越してきた」。古くから京アニ本社近くに住む主婦はこう振り返る。

 京アニは、漫画家の故手塚治虫さんの「虫プロダクション」で技術を身につけた八田英明社長の妻、陽子専務が近所の主婦らを集めて昭和56年、「京都アニメスタジオ」として創業した。当時は長屋の一角で、「仕上げ」と呼ばれる色塗り作業の下請けをしていた。

 陽子専務の兄で、手塚さんとともにアニメ制作に携わるなどしてきた杉山さんは「(当時の京アニは)スタジオと呼べるようなものでもなかったが、主婦たちに虫プロの技術を伝え、本当に楽しそうに仕事をしていた」と懐かしむ。

 昭和60年に英明社長のもとで会社を設立し、スタッフを増やして設備を拡充。アニメ制作の全工程が自社で可能となり、テレビアニメでは不可能とされた質の高さを実現した。

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