働き方

「串団子のように…」 コンサルタントが“師匠”から学んだ5つのこと (2/4ページ)

 老師の教え2:「お金を追うな、仕事を追え」

 「小宮さん、お金を追うな、仕事を追えだよ」。この言葉を老師から何度も言われました。ひょっとしたら、私の表情や様子が、お金を追いかけていたというふうに見えた時もあったかのかもしれません。そうであるにせよないにせよ、うんと年下の経営コンサルタントの駆け出しである私に、ビジネスの根幹を教えてくださったのでしょう。

 例えば、経営コンサルタントである私が社会や世の中の役に立てること。それはまず、顧問を務める企業に対して的確な意見を述べることでしょう。また、メディアに寄稿したり書籍を書いたり講演をしたりすることでビジネスパーソンの社会人としての生き方考え方をアドバイスすることでしょう。

 仕事内容による貢献こそが重要であり、その仕事の報酬が多いとか少ないとかというのはあまり大きな問題ではありません。大事なのは、自分にしかできない仕事をしっかりすることです。

 主体が会社であれば、その会社にしかできないことをして、世の中の役に立つこと。もちろん、上場会社ならば株主はその会社がより多くの利益が出るような活動を強く求めます。それは経済の原則上、当然の話ですが、「お金儲け」を目的にしてはいけません。世の中の役に立つ「良い仕事」をすれば、お金は後からついてくることが多いのです。

 3年ほど前から、私は、首都ウランバートルにあるモンゴルの企業で毎年1回講演をしています。日本語を読むことができるその企業の代表者が、私がかつて執筆した何かの記事の中で紹介した、この「お金を追うな、仕事を追え」という藤本老師の言葉に感銘を受けたことが、講演のきっかけになりました。

 この企業グループは現在、金融業やカシミア製造、トヨタのディーラー、ホテル経営などを手がけ、モンゴルを代表する一大企業グループに成長しています。それは、「仕事を追え」という姿勢の賜物で、この真理は世界のどこでも通用するものだと私は思っています。

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