経済インサイド

リゾート勤務にジーパン出勤 危機意識背景、殻を破る銀行 (1/2ページ)

 「お堅い」イメージが強かった銀行の職場が変わりつつある。旅行先で仕事をする「ワーケーション」の導入や、スーツを脱いでジーパンやポロシャツでも勤務できる職場が徐々に増えてきた。現金を使わないキャッシュレス決済の普及など金融のデジタル化が急速に進む中、自ら殻を破って異業種からの中途採用や外国人の採用に取り組まなければ生き残れないとの危機意識が背景にあり、開放的な職場作りが進んでいる。

 「森林に囲まれた普段とは違う環境で働けば、作業の能率が上がるし、新しいアイデアもわいてくる」

 7月末、避暑地で知られる長野県軽井沢町の自社施設内にワーケーション専用のオフィスを開設した三菱UFJ銀行の関係者はこう指摘する。休暇で家族と滞在中に1日だけ仕事をするといった利用を想定しており、パソコンやタブレット端末、テレビ会議システムなどを使って、仕事をしたり研修を受けたりできる。

 三菱UFJ銀は働き方改革の一環で4月からワーケーションを認めており、既に50人以上の社員が経験するなど好評という。7月にはシンガポールの拠点にも専用オフィスを設け、旅行中の社員が活用できる。

 金融庁から厳格な顧客情報の管理を求められる銀行では、仕事を持ち帰る「テレワーク」はかつて困難視されていた。ただ、セキュリティ対策を施した専用のパソコンを貸与するなどして壁を乗り越え、数年前から育児や介護などで在宅勤務が可能になりつつある。

 一方、暗いスーツにネクタイが“制服”だった銀行員の服装も変わり始めた。

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)では、7月1日から8月末まで本社勤務の約3500人を対象にドレスコードを無くし、Tシャツやスニーカーなど軽装での勤務を認めることにした。ひとまず顧客と接さない部署で試行し、9月以降に行うアンケート次第で対象の拡大や通年化するかを検討する考えだ。

 このほか3メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループが従来5~10月のクールビズ期間中に限定していたノーネクタイのビジネスカジュアルを5月から通年化した。また、みずほ銀行は7月からの夏季期間、「スーパークールビズ」と称してポロシャツなどこれまでよりカジュアルな服装を認めている。

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