書評

『トランスファー』中江有里・著 体の交換で浮上した真実とは

 30歳の女性派遣社員、玉青(たまお)は孤独だ。父親は病死、母親は認知症で施設に。付き合っていた男は玉青の妊娠が分かると行方をくらまし、一人で産んだ男の子は、養子に出すしかなかった。今はやっと見つけた保育園で息子の姿を遠巻きに眺めるしかない毎日。

 そんな玉青が、寝たきりの少女、洋海(ひろみ)と出会い、「体を交換」することになってしまう。実は、2人は体外受精で同じ両親から生まれた姉妹だった。玉青は不思議な体験から浮かび上がった「真実」を知る-。

 マルチなジャンルで活躍する著者のちょっと切ない長編小説。(中央公論新社、1500円+税)

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