書評

『限界病院』久間十義・著 地域医療の危機リアルに描く

 北海道の過疎地にある市立病院を舞台にした人間ドラマ。病院は毎年膨大な赤字を垂れ流し、市がその穴埋めをしていた。東京の大学病院に勤務し、仕事、離婚で疲弊しきった外科医、城戸健太朗は事情を知らないまま、その赤字病院に転職してくる。

 厚生労働省の方針で、赤字病院に医師を派遣していた大学病院が医師を引き揚げることに。これで病院は診療科目の縮小を余儀なくされ、存続の危機に立たされる。病院改革は喫緊の課題となり、城戸もその渦中の人となってゆく。

 地域医療の危機は現実の問題。リアリティーある描写にぞっとさせられる。(新潮社、2100円+税)

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