働き方

人手不足でも採用に困らない企業は何が違うか お客様は神様の時代は終わった (1/3ページ)

 人手不足が続く中、顧客より従業員を守ることを大事に考える企業が増えてきた。アルバイト先を選ぶ若者たちも、ネットの口コミ情報からそうした企業の姿勢をしっかり読みとっている。人手不足にあえぐ企業と、人が集まる企業の明暗が一目瞭然の時代になった――。

 顧客ファーストから従業員ファーストへ

 昨年(2018年)は注文方法でビールの値段が変わる居酒屋が話題になったことがあった。「おい、生ビール」と乱暴に注文すれば1000円、「すいません、生一つ下さい」と丁寧に注文すれば本来の価格である380円、といった具合だ。半ば冗談ではあるものの、客は神様ではない、お店にとって大切な従業員はたとえ客が相手であっても傷付けられることを許さない、という意図があったようだ。

 「店が客を選ぶ」というと傲慢に聞こえるかもしれないが、人手不足の現在、客よりも従業員を優先すべきと経営者が考えても全く不思議ではない。つまり「顧客ファースト」から「従業員ファースト」へと、人手不足の時代に大きな転換を迎えている。

 そして居酒屋がこのような対応で話題になったことは決して偶然ではない。なぜなら人手不足で最も困っているのが飲食業だからだ。若者のアルバイト事情からこの問題を考えてみたい。

 ネットの口コミを気にする若者

 現在の若者はどのように仕事を選んでいるか。データを見るとお店の評判や口コミを重視していることがわかる。

 アルバイト情報誌、anのアンケート調査によれば高校生・大学生・フリーター・主婦・シニアと5つの属性に分けると、高校生や大学生はアルバイトを選ぶ際に「ネットや口コミでの評判が良い」ことを重視するとある。一方でシニアはネットの口コミを気にする人は少ない。

 若者がシニアよりネット情報を重視することは年齢も影響していると思われるが、いわゆるブラック企業を避けようとネットで事前に調べていることは間違いない。

 企業で起こる不祥事は、セクハラ・パワハラ・マタハラ・サービス残業など多数あるが、問題を抱えた企業は俗にブラック企業と呼ばれる。これらのトラブルが報じられれば客に敬遠されることはもちろん、採用でもマイナスに働く。

 2014年、居酒屋のワタミや牛丼チェーンのすき家が人手不足で店舗の閉鎖や営業時間の短縮に追い込まれた。両社は度々雇用に関する問題が発生することでブラック企業として繰り返し報道され、イメージが低下した。そして人手不足が本格化したことにより、アルバイトの退職が多い年度末に採用が追い付かず一時的とは言え店舗閉鎖や時短営業に追い込まれた。

 客だけではなくアルバイトもまたブラック企業を避けたということだ。人手不足の現在、他にいくらでも働き口がある状況であえて評判の悪い会社を選ぶ人はいない。

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