社会・その他

北漁船、「大和堆」での違法操業は平成28年秋ごろから 抵抗は激化

 水産庁の漁業取締船と北朝鮮の漁船とみられる船舶が衝突した現場の大和堆(やまとたい)は秋田県の男鹿半島から西に約400キロにある日本海有数の好漁場で、石川や山形、北海道、青森などからスルメイカ漁船が出漁している。平成28年秋ごろから多数の北朝鮮漁船による違法操業が確認され始めた。

 海上保安庁は29年7月から巡視船を派遣し、水産庁と連携して北朝鮮漁船の排除に当たっているが、北朝鮮側は抵抗や威嚇を激化。過去にも対応中に接触されたり、銃口を向けられたりする事案が発生していた。

 29年7月には水産庁の取締船が北朝鮮漁船の乗組員から銃口を向けられ、今年8月にも北朝鮮公船とみられるボートから巡視船に小銃が向けられた。30年秋には北朝鮮漁船が巡視船に船体を接触させ、巡視船の甲板に取り付けられた「スタンション」と呼ばれる手すり部分が破損した。29年には巡視船が投石を受け、窓ガラスが割れる被害を受けた。

 大和堆付近での取り締まりで、海上保安庁と水産庁は、海域を振り分けて排他的経済水域(EEZ)の境界付近に巡視船や取締船を展開して北朝鮮漁船を監視。退去警告に従わない北朝鮮漁船には放水するなどして大和堆への入域を阻止している。

 海上保安庁は装備を拡充しており、強力な光と音を放ち対象船の動きを止める閃光(せんこう)弾をより効果の高いものに切り替えるなどしている。

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