社会・その他

IOCが札幌市・北海道と協議へ 五輪のマラソンと競歩、費用負担も中心議題

 来年の東京五輪陸上のマラソンと競歩は1日、札幌への変更に決まった。追加経費は「東京都が負担しないこと」を条件としたが、どこが負担するかは不透明だ。国際オリンピック委員会(IOC)は札幌市や北海道とも協議することを表明。費用負担の項目も議題の中心の1つになりそうだ。開催まで9カ月ほどになり、コースの設定など課題は山積。残された時間は少ない。

 今後の大きな焦点は、札幌への変更に伴う追加経費の負担だ。札幌市の秋元克広市長は「常設以外は負担しない」と明言してきた。五輪開催都市である東京や大会組織委員会が負担するのが原則だったが、今回の合意で、都への負担はないことが約束された。

 IOCのジョン・コーツ調整委員長は会見で、「組織委や地元自治体と協議を行わなければならない」と説明。今後の調整次第では札幌市や北海道が費用負担する可能性も出てきた。

 コーツ氏はこれまで、大会関連経費の1兆3500億円とは別に、テロや災害など不測の事態に備える予備費(1千億~3千億円)に言及していた。ただ予備費の財源は明確ではなく、いずれ都が負担する。今回の合意に基づけば、予備費の活用はなくなった。

 一方で、マラソンのコース設定は合意ができていない。

 札幌陸上競技協会の志田幸雄会長(75)は「コースも確定しておらず、プレ(事前の)大会もできない中での本番になるので、不安は大きい。札幌でも気温が30度を超えることもある。何か対策が必要」と不安を口にする。

 札幌では昭和62年から毎年8月、「北海道マラソン」を開催している。IOCは札幌ドームをコース発着点とする案を提示しているが、改修費用に数十億円かかり、大通公園発着案が有力だ。

 五輪マラソンのコースとして確定するには、専門の計測員が実際に自転車などでコースの形状などを確認して、綿密な距離計算を行わなければならない。ただ札幌では11月から積雪の季節を迎える。陸上の関係者は「積雪があるとコース確認はできない」という。

 警備やボランティアの確保など、他にも課題がある。8月の札幌は特に、最も観光客を迎える季節だ。

 ホテル「JALシティ札幌中島公園」では選手や大会関係者の宿泊に備え、来年8月上旬の一般客の予約を中止した。担当者は「宿泊費の高騰や混雑を避けるために逆に人が来なくなることも考えられる。宿泊料はこれから検討する」と述べた。

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