キャリア

ヘッジファンドが高成長のアジアで運用者争奪 報酬・研修を手厚く

 ヘッジファンド会社ポイント72アセット・マネジメントの香港オフィスで、大学を卒業したばかりの5人の若者がスプレッドシートを眺めながらキャッシュフローと資本コストについての質問の答えを出している。

 彼らはポイント72アジア・アカデミーのアソシエートプログラムの最初の参加者たち。アジアの優秀な人材を集めるためのポイント72の最新の試みだ。

 大手ヘッジファンドがアジアに進出し、域内の運用資産が米英よりも速いペースで増える中で業界幹部は人材確保が追い付かないと話す。そこでファンドは競合他社からの引き抜きに加え、花形パフォーマーの報酬パッケージを魅力的にする、若手に多くの資源を投じるなど手を尽くしている。

 ポイント72のアジアの株式投資チームを統括するハワード・マン氏は「アジア太平洋地域では既に出来上がった経験豊富なポートフォリオマネジャーというのは多くない」と述べた。同社は2015年に米国で導入したプログラムを基に設計した期間10カ月のトレーニングをアジアで導入。香港でのクラスを3月に開始した。

 ヘッジファンド業界は世界的にはここ数年、高い手数料とさえないリターンに投資家がそっぽを向き苦戦してきた。ただ、アジアは高成長と資本市場拡大のおかげで比較的明るいスポットとなっている。ポイント72のように、それぞれが運用する部分について責任を持つポートフォリオマネジャーらに会社全体の資金を配分して任せるヘッジファンド「プラットフォーム」はアジアでの成長が目立つ分野だ。しかし人材需要の拡大と同時に、長くヘッジファンド運用者の訓練の場だった銀行の自己勘定取引デスクが縮小され供給される人材が減った。

 人材斡旋(あっせん)会社マイケル・ペイジ・シンガポールのマネジングディレクター、ニレイ・カンデルワル氏は「難しいのはポートフォリオマネジャーを見つけることではなく、アジアに拠点を置きアジアで運用した経験のあるマネジャーを見つけることだ」と話す。

 そういうわけで、アジアでは運用者の報酬は高まりつつあると業界に詳しい関係者が述べた。業界10年超のあるベテランによれば、最近のアジアでの運用者ボーナスは、稼いだ投資利益の25%に上る。事情に詳しい関係者によると、アジアのトップクラスのポートフォリオマネジャーの年俸は運用報酬を含めると1500万~2000万ドル(約16億3000万~21億7000万円)になるという。(ブルームバーグ Bei Hu)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus