働き方

労災認定、副業時間を合算 勤務実態反映、20年度施行目指す

 副業や兼業の労災について議論する厚生労働省の労働政策審議会の部会が23日開かれ、掛け持ちで働く人を労災認定する際、すべての労働時間を合算した残業時間を基に判断する新制度の導入で合意した。勤務先ごとの労働時間で判断している現行制度に比べ、勤務実態が反映され、労災認定されるケースが増えるとみられる。同省は来年の通常国会に労災保険法などの改正案を提出し早ければ来年度中の施行を目指す。

 政府は副業や兼業を推進しているが、掛け持ちで働く人が増える中、個々の職場では労働時間が法定時間内に収まっていても、トータルの労働時間が認定基準を超えるケースがあることが指摘されていた。過労死を招く脳・心臓疾患の労災認定基準では、発症前1カ月の法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた残業時間が100時間を超えた場合などとし、「過労死ライン」と呼ばれる。

 現在は、複数の会社で働く人でも労働時間は個々の勤務先で判断される。新制度は、この点を改め、複数の勤務先での労働時間を合算して残業時間を算出できるようにし、労災の認定基準を超えているかどうかを見る。過労自殺を含む精神疾患の労災認定でも、認定の基準となる労働時間や心的な負担について、複数の勤務先の状況から総合的に判断する。

 また、現在、労災保険の給付額は労災が起きた勤務先の賃金のみを根拠としているが、これを本業と副業を合わせた賃金をベースとすることで補償額が増額され、複数の仕事を休まざるを得なかった場合に十分な給付を受けられるようにする。

 副業・兼業の推進に伴う労働環境の整備をめぐっては、複数の職場にまたがる労働時間の適正な把握や管理が難しいことから、上限規制する方法などについて、現在、労政審の別の部会で検討している。

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