キャリア

次世代に受け継がれる技術、理論、そして情熱 聖火に魅せられ「五輪」に挑み続ける (2/2ページ)

 「あの経験がなければ、息子は世界と戦えなかった」。重信が長い歳月をかけて積み上げた技術と理論は長男の広治(45)に受け継がれ、大きく花開くことになる。

 父の背中を見て育ち、10歳で初めてハンマーの手ほどきを受けた広治は、高校で本格的に競技を始めるとすぐに頭角を現した。父の持つ日本記録を塗り替えて迎えた2004年アテネ大会。投擲(とうてき)種目では日本人初となる金メダルを手にする。37歳で迎えた12年ロンドン大会でも銅メダルに輝き、父子で積み上げた技術と理論の正しさを、改めて証明した。

 若き日のかの子に苦い記憶を刻み、重信に挫折を教えた五輪。多くのアスリートがその聖火に魅せられ、4年に1度の戦いに挑み続けてきた。

 積み上げた技術、理論、そして情熱は、次世代に受け継がれ、2020年も新たな歴史を紡ぐ。傘寿を迎えた今もプールサイドに立ち、若き才能と向き合うかの子はいう。

 「五輪は選手が命を懸けて挑む特別な舞台。経験した人間だからこそ、伝えられることがある」(敬称略)

 東京五輪に挑むオリンピアン2、3世

  2020年東京五輪に挑むオリンピアン2世もいる。柔道男子66キロ級で代表入りを目指す丸山城志郎(じょうしろう)は、父の顕志(けんじ)が1992年バルセロナ大会に出場。父が届かなかったメダルに挑むため、兄妹での五輪を目指す阿部一二三(ひふみ)と、熾烈な争いを繰り広げている。

 女子重量挙げで2012年ロンドン、16年リオデジャネイロの2大会連続でメダルを獲得した三宅宏実は、出場すれば自身5度目の五輪。父の義行は1968年メキシコ五輪の銅メダリストだ。

 3世代での五輪を目指すのは、女子飛び込みの金戸凜。父の恵太と母の幸は88年ソウルから3大会連続、父方の祖父、俊介と祖母の久美子も60年ローマと64年東京大会に出場した五輪一家で育った。金戸家5人目のオリンピアンを目指す。((4)は明日1月16日に掲載します)

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