ビジネス解読

火の玉人材を発掘、野村総研の地方創生プラン 既に10社超が起業 (2/2ページ)

 金融庁も注目しており、令和元年8月に「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」で紹介した。高い評価を受けて、野村総研は地方創生に向けて、「ゼロからイチを生み出す」IPのノウハウを開示していくという。

 その第1弾がフォーラムとなる。さらにIPノウハウのエッセンスをまとめた「虎の巻」を出版するという。「われわれがいなくても、地方で取り組める仕組みをつくってほしい」と、齊藤氏は出版の狙いを話す。

 金融緩和による金余りで、資金調達がしやすいことから起業に追い風が吹く。しかし、有能な起業家ばかりがそろうわけではない。火の玉人材だけでなく、「資金や家庭はどうするといって起業を躊躇(ちゅうちょ)する」モヤモヤ人材も少なくない。こうした人材のマインドに火をつけるのが地域金融機関というわけだ。

 これまで地域金融機関は、起業家を発掘するビジネスコンテストなどを開いてきたが、金融機関側にノウハウがなく、運営するスタッフもいないため、賞金で誘っても3年たてば応募者はいなくなっていた。地方創生ファンドなど支援制度を設けて満足するだけで、一緒に事業プロデュースに乗り出そうとしないからだ。野村総研がノウハウを開示して、金融機関に呼びかけるのもこのためだ。

 長引く低金利で地域金融機関の経営は厳しい。苦境から抜け出すには、地域に根を張って火の玉人材を発掘することだ。「地方創生のキーマンを見つけ出すのは、地元を知り尽くす地域金融機関の役目」と、齊藤氏は指摘している。(松岡健夫)

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