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ミラノに学ぶデザイン文化 日常生活の自由な選択を培う (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 最近、ミラノのデザイン文化についてリサーチしている。7月3日、武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所主催のオンラインイベント「ソーシャルイノベーションと文化のデザイン」で、ぼくも登壇することになっているからだ。

 そこでミラノのデザイン文化について(も)話す。少々紛らわしいかもしれないが、「デザイン文化がどうデザインされてきたか」という話をするのだ。そのために冒頭で書いたように、リサーチをしている。

 ミラノにはデザイン文化が伝統的にあると思っている人が多い。街角でみるファッションや家具のスタイリングや色の良さのなせるわざだろう。もちろん間違っていない。ただ、それはデザイン文化の一部だ。ぼくが「デザイン文化」という時、別の意味も込める。

 日常生活において、生活する1人1人がさまざまに自分で選択肢をつくれ、それを自分で選べる自由がある。このことをデザイン文化と呼んでいる。

 昨年11月に「リトアニアのデザイン史が教える審美性の価値 自由な社会づくりの礎」という記事を書いたが、その文中の下記が、ぼくの言う「デザイン文化」の効用例になる。

 “カウナスでの実験的な数々の試みの結果見えてきたのは、デザイン文化の普及を図ることで、1人1人が「自分自身への自信や信頼」を獲得できたことだ”

 拙著『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?』に書いたが、イタリアの企業人は1人1人が独自に状況の文脈を読み解き、自分の進むべき方向を定める傾向が強い。つまりデザイン文化がある。

 一方、リトアニアの例で紹介したが、デザイン文化はやはり審美性と密接な関係をもつ。質の高いモノなどを見慣れることは、自分の考えに確信をもつに有用な経験なのである。

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