書評

『「好き」の因数分解』最果タヒ・著 詩人の感性で語るお気に入り

 現代詩の世界で絶大な人気を誇る詩人が、自身の好きなものについてつづったエッセー。マックグリドルや水族館、ポケットモンスターなど、48の「好き」を3層のテキストで書き分けている。

 例えば、ミッフィー。絵本やアニメで人気のキャラクターは、うれしいときも怒ったときも無表情で、その心情の分からなさが心地よいという。さらに、福だるま型のミッフィーのぬいぐるみの魅力を説き、ミッフィーから人と人との関係性を探るなど、さまざまな方向から好きなものを分析している。詩人ならではの感性と、ものの見方が秀逸だ。(リトルモア、1200円+税)

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