働き方

リアル業務とハイブリッドを 経団連副会長・大橋徹二氏に聞く

 --コロナを契機に働くことをめぐる考え方に変化が出ている

 「自粛期間で時間ができ、今までの考え方でよかったのか、自分は何のために働くのかなど深く考える機会になった。個人、組織のレベルでいろいろな変化が出始め、それが大きなうねりになりつつある」

 --テレワークによって、どんな変化が起きたか

 「コロナで在宅勤務やテレワークを一気に実施することを迫られた。(会長を務める)コマツでは当初、自宅に持ち帰れるセキュリティー対策を施したパソコンも全員にそろわず、通信環境も十分ではなかった。それでも5月に入り、結構いけると感じられるようになったが、大企業はそうであっても中小企業では難しい面もあるし、業務によってはできないこともある。コマツはメーカーで、工場稼働に従事する社員は在宅はできない。客先の建設機械のメンテナンス担当者は現場に行かなくてはならない。リアルな現場とオフィスでは大きく違うのも実情だ」

 --課題と対応策は

 「いろいろなケースがあることが分かってきた。業種、業務、職種、入社年次など業務習得レベルによって状況は違う。それに応じて、自分の会社でテレワークとリアルな勤務とを組み合わせていく必要があるだろう。それを決めていくのは会社の歴史や労使関係の状況なども影響するので、各社にあったテレワークとリアルな業務のハイブリッド型を見つけるべきだ」

 --仕事や働き方の評価手法も問われている

 「テレワークで浮き彫りになった課題が労働時間の管理だ。労働基準法で、労働者が働いた時間に対して賃金を適正に支払うことが基本。労働者は労務を提供した時間に応じて対価を得るという考え方だ。だが、時間だけで測るのではなく、成果ややりがいに基づいて働く人もいる。時間管理にしてもフレックスタイム制や、みなし労働時間制など、さまざまな制度がある。いきなりすべてを成果型に変えるのは時間もかかる。現実的に議論を進めていくべきだ」

 --社員と組織のエンゲージメントを高めるために必要なことは何か

 「個人と組織がお互いに将来向かいたい方向を理解し、その発展に資する施策を一致して進めることで、個人も働きがいを感じ、会社も発展する。これがエンゲージメントの概念だ。自らの処遇だけでなく、社会的課題の解決を考えていく人も多い。テレワークでは疎外感を感じ、社員はだんだん不安になってくる。そういった意味でもテレワークとリアルを組み合わせることが重要だ」

                   ◇ 

 新型コロナウイルス感染拡大で、働き方が大きく変わろうとしている。テレワークや在宅勤務が一気に進んだが、そこから見えてきた課題は何か。シリーズで識者に聞く。

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