人事

4~6月期決算ピーク 苦境の日本企業…広がるコスト削減、ビジネスモデル見直し

 7日に発表がピークを迎えた上場企業の令和2年4~6月期決算では、新型コロナウイルスの感染拡大が幅広い業種に打撃を与えたことが鮮明となった。足元では「第2波」への警戒もあり、令和3年3月期は3年連続の大幅な最終減益が避けられない情勢だ。業績改善に向け、多くの企業がコスト削減や構造改革の取り組みを加速している。一方、「巣ごもり」需要を追い風にした企業は好調だった。

 製造業では、自動車や鉄鋼の苦境が目立つ。

 日本製鉄の宮本勝弘副社長は「世界の製造業の活動水準が相当落ちている」と述べ、リーマン・ショック時よりも状況は厳しいとの見方を示す。製鉄所の閉鎖や高炉休止などの構造改革を前倒しする可能性も明らかにした。

 軸受け大手の日本精工(NSK)も自動車関連の売り上げが急減した。製造部門の非正規雇用者の契約を更新せず、3千人を事実上の「雇い止め」にした。

 非製造業では、空運や陸運の下落幅が大きかった。

 ANAホールディングスと日本航空は連結最終損益がそろって赤字に転落。国際線、国内線ともに大半の旅客を失った。減便や保有機削減、人員配置の見直しなどに取り組む。

 JR上場4社は軒並み過去最大の最終赤字を計上した。鉄道利用客が減った上、商業施設やホテルの運営事業も不振だった。

 一方、外出自粛やテレワークの普及で、自宅での生活を充実させる商品を扱う企業は好調だ。

 ヤマダ電機は連結最終利益が前年同期比約3・4倍に伸長。郊外店が好調で、担当者は「巣ごもり需要やテレワークにより、調理家電やテレビ、パソコンがヒットした」と話す。ライオンはハンドソープや手指消毒剤が売れた。

 新型コロナとの共存を前提に、ビジネスモデルを見直す動きも広がる。

 ソフトバンクは商談のオンライン化を積極化している。6月はその比率が84%だった。宮内謙社長は「オンラインでは新規開拓が難しいと思ったが、デジタル化によって顧客とのコンタクト数はむしろ増えた。新しい営業形態でも生産性は高められる」と語った。

 オムロンは製造現場での省人化を進めるロボットや遠隔診療サービスの開発に注力する。顧客向けに製品展示施設のオンライン見学会を開くなど、新しい営業手法も導入した。山田義仁社長は「アフターコロナ(コロナ後)を見据えた将来の成長に不可欠な投資は継続してやり切る」と強調した。

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