社会・その他

日産元代表取締役のケリー被告ら初公判 検察側と弁護側の冒頭陳述要旨 (2/2ページ)

 【報酬支払いの検討】 日産社内では、ゴーン被告への報酬支払いについてさまざまな方法で検討されていた。そのいくつかに被告が関わったことは確かだ。

 ゴーン被告は受領する報酬額を以前より減額しており、支払い方法の検討は、ゴーン被告が日産を離職しないようつなぎ留め、将来の退任後に日産のために役務提供をしてもらうのが目的だった。

 被告は、ゴーン被告の傑出したビジネスリーダーとしての価値や、日産と提携関係にあった仏自動車メーカー・ルノーに対する独自の影響力を考慮すれば、ゴーン被告をつなぎ留めるために必要かつ適法な行為をするのは非常に重要と感じていた。

 報酬については、合法的な方法で、必要な報告義務を順守した上で支払おうとした。社内法務部のみならず、外部法律事務所にも相談していた。

 【退任後契約】 西川広人前社長も、ゴーン被告を日産に引き留めることが重要と考えていた。

 西川氏と被告はゴーン被告に見せるための退職後契約書を起案し、ゴーン被告が日産を退職後、10年間特別顧問兼名誉会長に就任し、その対価を支払うことなどを定めた。これは退任後の役務に対する対価で、性質上、金融商品取引法上の報告義務の対象ではない。ゴーン被告は署名せず、支払いとして確定したものでもない。

 文書では、退任後にゴーン被告が日産にもたらす価値を前提に対価を決めた。違法と解される余地はなく、これをもって共謀を推認することはできない。

 いずれにしても、ゴーン被告に対して未払い報酬を支払うのが目的ではなかった。実際には支払い方法が検討されただけで、実施されていない。

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