働き方

連合春闘方針、賃上げ数値目標設定先送り コロナで先行き見通せず

 労働組合の中央組織である連合は15日、来年の春闘方針である「基本構想」を公表した。8年連続で、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を要求する方向は示した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の中で経済の先行きが見通せず、議論が煮詰まっていないとして、例年この時点で示していた賃上げ率の数値目標の提示を今回は見送った。

 基本構想では、働いた年数に応じて基本給が増える定期昇給(定昇)の確保を大前提としたうえで、「底支え」「格差是正」に向けてベアを積み上げることを要求することを決めたという。2020年の春闘では定昇2%、ベア2%で4%の賃上げを要求しており、今後これを基準にして21年の数値目標の議論を進めていく考えだ。

 同日、記者会見した神津里季生会長は、「失われた20年間に、賃金は毎年上がっていくという常識が失われてしまった。ここ数年、賃上げが実現されており、この流れを継続させる」と述べ、コロナ禍でもベアを含めた賃上げを要求する重要性を強調した。

 11月上旬に開催する中央討論集会での議論を受けて、同月内に開く中央執行委員会で数値目標を含めた連合の春闘方針を決定する予定だ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus