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リーダーの「決断」が時間生産性高める

 少数精鋭の営業チームを構築し、時間生産性を最大化するために最初に取り組むべきことは、個々人の時間の使い方を見直すことだ。とくに経営者や営業部門の管理職などのリーダーは、プライベートを含む人生すべての時間の使い方を見直す必要がある。(プレゼンス社長・田路和也)

 公私ともに充実している魅力的なリーダーは、メンバーとの信頼関係を構築しやすく、それによる心理的安全性がメンバーの判断や行動を速める。人事コンサル大手のリクルートマネジメントソリューションズが2017年に行った調査では、(1)社外活動が充実している上司の方が、そうでない上司よりも、若い部下には魅力的に映っている(2)多くの若い部下にとって、理想の上司は人間的な幅が広く、かつ早く帰る人(3)若い部下は、上司の社外活動の話を聞きたいと思っている-。つまり、多くの若手社員が、プライベートも充実している上司を支持しているのだ。また、リーダーが心技体を磨く姿を見せることで、メンバーもそのように育つという副次的効果も見過ごせない。

 リーダーが何を「決断」し、何に時間を「投資」するかは、メンバーの業務量に大きな影響を与える。「大きな意思決定をすること」が「決断」だと捉えられがちだが、文字通り「断つことを決めること」が「決断」だ。リーダーが「やらないこと」を決めない限り、メンバーや組織の生産性が上がることは絶対にない。リーダーの「決断」が、無駄な業務を減らし、「金の成る木」となる事業を育てるのだ。

 正しい「決断」を行うためには、タスクの「重要度」を3つの基準で見極めることが重要だ。1つ目は、「リーダーの人生の目的に沿うものか」。中小企業の経営者は、目先の売り上げを生み出す仕事を優先しがちだが、本来、創業時の志よりも重要なものなどあってはならない。2つ目は、「会社の目標達成に大きく貢献するものか」。目標達成のために最も効果的なタスクに時間を集中投資することが重要だ。そして3つ目が、「自分にしかできない仕事であるか」。リーダーが仕事を抱え込むことが事業成長のボトルネックになることは多い。権限委譲がスピードを生み出し、組織メンバーの成長スピードも加速させることを忘れてはならない。

 当社は、正社員ゼロ経営に切り替えてからの5年間、増収増益を継続達成している。その原動力は「決断」だ。その判断基準は「もうかりそうかどうか」ではない。あなたは今年、何を「決断」しますか。

【プロフィル】田路和也 とうじ・かずや 早大商卒。1998年パソナ入社、2000年人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)入社、07年プレゼンスを設立し現職。14年アポロ広告社と合併。営業部門の時間生産性向上に特化した研修・コンサルティングを提供。著書に『仕事ができる人の最高の時間術』(明日香出版社)、『HRプロファイリング』(日本経済新聞出版)がある。46歳。兵庫県出身。

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