働き方

国家公務員の新規採用苦戦、霞が関に負のイメージ? 働き方改革探る

 国家公務員の新規採用が苦戦している。既に合格者が発表された2020年度の受験申込者数は、キャリアと呼ばれる幹部候補の「総合職」、事務を担う「一般職」ともに過去最少。キャリア官僚の中核を担ってきた東大出身者も前年度から激減した。背景には、深夜残業や長時間労働といった霞が関の負のイメージがあるとされ、政府も公務員の働き方改革に関心を向ける。21年度の採用戦線に注目が集まる。

 人事院によると、総合職の20年度申込者数は約2万人、一般職は約2万9000人でいずれも4年連続のマイナス。現行の試験体系となった12年度以降で最少だった。新型コロナウイルスの影響で試験日程がずれ込み、先に実施された地方公務員試験などに受験生が回ったことも一因とみられる。

 20年度総合職の合格者は1717人(一部区分除く)で、このうち東大出身者は249人。前年度から58人減り、記録が残る1998年度以降で最少となった。民間企業などに流れたとみられ、東大出身の現役キャリア官僚は「霞が関の不人気ぶりを象徴しているようだ」とぼやく。ただ人事院は、官僚の出身が東大に集中せず分散することは「人材の多様性につながる」(担当者)と前向きに受け止める。

 有能な人材の確保を目指す政府にとって、深夜残業や長時間労働の解消は喫緊の課題だ。全省庁を対象とした正規勤務時間外の「在庁時間調査」によると、昨年10、11月に20代総合職の約30%が過労死ラインの目安とされる月80時間を超え、長時間労働の実態が浮き彫りになった。

 河野太郎国家公務員制度担当相は同12月、働き方改革が進む民間企業を視察。中央省庁を午後10時から翌朝午前5時まで閉庁するよう求める民間有識者の提言に「霞が関は危機的状況だ」と応じ、改革への意欲を示している。

 一方、新規採用に向けては明るい材料もある。総合職のうち、法律などの専門試験を課さず総合力を問う秋の採用試験「教養」区分は、申込者数が増加している。20年度は約3200人と、区分が新設された12年度の3倍近くに上った。

 また新型コロナによる景気後退で民間が採用を手控える中、「不況に強い」と言われる公務員人気が再び高まるとの見方もある。

 人事院によると、21年度採用試験は例年通りの日程で実施する方針。詳しい試験日程は、人事院ホームページで順次公表する予定だ。

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