社会・その他

「国は謝罪と補償を」原告ら早期救済訴え 建設アスベスト訴訟

 全国9地裁で起こされた「建設アスベスト訴訟」で4例目の最高裁判断が示された。これまで以上に国と建材メーカーの賠償責任を広く認めたことを受け、大阪訴訟の原告団や弁護団は24日、大阪市内で記者会見し、「国とメーカーは速やかに謝罪と補償をし、早期の救済を」と訴えた。

 最高裁第1小法廷は22日付で、国の賠償範囲を「2分の1」とした大阪訴訟2審判決への国の上告を受理しないと決定。東京と京都訴訟の「3分の1」よりも広く認めた。全ての石綿含有建材の製造・使用の禁止措置が遅れた国の違法性も認定され、一部を除いて原告側の勝訴が確定した。

 「原告以外の被害者の救済にとっても、大きな意義がある決定だ」

 大阪訴訟弁護団長、村松昭夫弁護士は会見で、決定をそう評価した。国と企業の責任について「これでほぼ確定的な判断が出た」とし、「被害者は約1万3千人いるとされる。一人でも掘り起こし、迅速に救済したい」と語った。

 提訴から約10年。原告19人のうち6人が死亡した。原告団の郡家(ぐんけ)滝雄共同代表(71)=大阪市=は「うれしく思う」と喜びつつも、「解決を見ずに亡くなった仲間も多い。国と企業はいたずらに解決を先延ばしせず、原告の命があるうちに和解に応じてほしい」と訴えた。

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