働き方

「同一労働同一賃金」完了の中小28% 人件費増など苦慮 

 「全社一丸となって事業を進める上で、同一労働同一賃金は当然」。こう話すのは、19日に東証マザーズに上場したスキル売買サービス「ココナラ」の鈴木歩社長だ。

 約100人の社員は正規雇用が基本。正社員はフルタイムでの勤務が求められるが、子育てや介護、治療などでフルタイム勤務が難しいケースもある。そうした場合に限り、週当たりの出社日数を限定できる時給制の非正規社員の制度もあるが、時間当たりの賃金は正社員と同額にしている。

 ココナラは個人の知識をインターネットを通じて売買できるサービスを手がけるベンチャー企業。平成24年の会社設立以来、経験者による中途採用が基本で、さまざまなキャリアを経た人が集まっている。「多様性を受け入れる文化が社内に自然と出来上がった」(鈴木社長)ことを背景に、社員間の公平性に配慮した結果、同一労賃がスムーズに導入できた。

 とはいえ、ココナラのような成功例は限定的だ。人材サービス「エン・ジャパン」の中小企業150社に対するインターネット調査(調査期間は令和2年12月23日~3年1月26日)によると、同一労賃への対応が完了したと回答したのは28%にとどまり、対応が完了していないケースや着手していない中小企業は52%にも上った。

 さらに、対応が決まっている中小企業に難点を複数回答で挙げてもらったところ、「正社員と非正規社員の待遇差が不合理かどうかの判断」と「人件費の増加」がそれぞれ23%とトップとなった。中小企業の体力では解決策が見いだしづらいという事情がうかがえる。人材サービス「ネットオン」の担当者は「社会保険労務士などの専門家に相談することが大切だ」と指摘する。(松村信仁)

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