働き方

「年金が年15万円ダウン」意外に知らない“選択的週休3日制”の盲点 (2/3ページ)

 保険料が下がるのはいいことのように見えますが、そうではありません。傷病手当金や出産手当金、年金の額は支払った保険料に応じて決められ、保険料を多く払った人ほど、受け取れる額は多くなる仕組みです。したがって、給与が減って社会保険料が減れば、受け取れる額も減る、というわけです。

 ちなみに、保険料は労使折半で半分を事業主が負担しています。給与が下がれば、事業主があなたの社会保険や年金のために支払ってくれている社会保険料の額も減ります。

 ■出産手当金+育児休業給付金で68万円減額

 実際、どの程度の影響があるのか。月収40万円、40歳、東京都在住の会社員の例で、給与が2割減った場合について試算しました。

 給与2割減により、健康保険料は年間約6万円安くなります。一方で、病気やケガで4日以上続けて仕事を休んだ場合に給付される「傷病手当金」や、出産や育児で休業する際に受け取れる「出産手当金」「育児休業給付金」、介護のために仕事を休む場合の「介護休業給付金」も少なくなります。

 「傷病手当金」は1日あたり約2000円、540日(最長の給付日数)で約108万円ダウンです。保険料は年間約6万円しか減らないのに、給付は最大で約100万円以上も減ってしまうのです。

 「出産手当金」は、98日で約19.6万円ダウンです。育児休業給付金は、子供が1歳で職場復帰予定だと約48.6万円減ります。出産手当金と育児休業給付金を合わせると約68万円も少なくなってしまいます。出産を考えている場合、とくに妊娠中は仕事の負担を抑えたいと思うかも知れませんが、お金の面で考えれば、給付金を受け取るまではフルタイムで働いた方が有利と言えます。

 会社を辞めて再就職を目指す場合に受け取れる失業給付では、保険料が年額約3000円安くなります。月収40万円では基本手当の日額は6666円ですが、給与2割減では6082円となり、1日あたり584円の減額です。

 ■最もダメージが大きいのは、老後の年金

 最も影響が大きいのは「老齢厚生年金」です。

 給与が2割減り、それがずっと続くと仮定すると、年金保険料は年間約10万円軽減されますが、将来受け取る年金は、年間約15万円ダウンします。

 公的年金は老後資金のベースになるものです。亡くなるまで受け取ることができる終身型のため、長生き時代にはとくに頼りになる存在です。現役時代にたくさん稼いで公的年金保険料を多く支払うことは老後資金作りとして効果的ですから、週休3日制で年金が減るのは影響が大きいのです。傷病手当金や出産手当金などは全員が受け取るわけではありませんが、年金は一定の年齢になればすべての人に関係します。

 また退職金も給与額がベースになりますから、給与が減れば退職金も減ると考えられます。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus