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日本の「東大王」型エリートはなぜ海外で通用しないのか? その理由とは (4/4ページ)

 ■「東大王」の先にあるもの

 考えるためには知識がベースとして必要だ。しかし、日本人はせっかく蓄えた知識を生かして考えることをせず、知識があることを終着点として「知力」と見なす。だから日本が世界であまり存在感を示せないのだろう。なぜなら実社会で起こる問題には正解が用意されておらず、正解の暗記を得意とする「東大王」では不測の事態が起こった時に対処法を考えられないからだ。

 日本型エリートを体現する教育政策立案者も、その多くが思考型の教育になじみが薄いはずだ。政策立案者に「考える力」がなければいくら教育改革を唱え教育予算を増やしたところで結果はむなしい。

 教育関係者が思考力を育てる教育を知り、それを促進できるようになるための方策のひとつとして、国内外でそのような教育を受けてきた日本人の若者を、教育改革を牽引する人材として積極的に生かせないだろうか。

 加えて、未来の日本を背負う子供が「東大王」型クローン人間にならないよう、教育関係者だけではなく一人ひとりが教育改革について官僚や政治家まかせにせず問題意識を持つことが必要ではないだろうか。

 参考文献:HALSTEAD, Josh. “How to write a winning UCAS Statement” (unpublished, 2018) (日英欧研究学術交流センター研究員 松原 直美)

 松原 直美(まつばら・なおみ)

 日英欧研究学術交流センター研究員

 1968年東京生まれ。上智大学経済学部在学中、一年間米国留学。早稲田大学アジア太平洋研究科国際関係学博士課程中途退学。商社勤務の配偶者の転勤で住んだタイでは地元の公立中等教育機関で、ドバイでは国立大学で、ロンドンでは私立中等教育機関で日本語教育に携わる。現在東京都在住。著書に『英国名門校の流儀 一流の人材をどう育てるか』(新潮新書、2019年)がある。

(PRESIDENT Online)

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