社会・その他

「早く被爆者手帳を」 黒い雨訴訟の原告、喜びと憤り

 「私たちは嘘をつかないということを認めていただいた」-。全面勝訴の旗が高々と掲げられると、原告団からは歓声と拍手が起こった。原爆投下後に降った「黒い雨」をめぐる訴訟の控訴審判決。14日、広島高裁は原告の住民84人(死亡者含む)全員を被爆者と認定した。原告団長の高野正明さん(83)は「私たちが訴えてきたことは真実ということ」と喜びをかみしめた。

 1審に続く勝訴。広島高裁は原告全員を法律で定める被爆者と認め、被爆者健康手帳の交付を被告側に命じた。判決後、原告らは広島弁護士会館(広島市中区)で報告会と記者会見を開き、原告側弁護団の竹森雅泰弁護士は「問題を真摯に受け止め、立派な判決を下したことをうれしく思う」と評価する一方、「控訴審が始まってから、さらに2人亡くなった。被爆者救済は義務であり、責任だと思う」などと述べた。

 判決内容は1審よりも踏み込む形となったが、「原爆『黒い雨』訴訟を支援する会」事務局長の高東征二さん(80)は「真実をずっと言い続けてきたのに、国は何らこちらを振り向いてはくれなかった。非常に腹立たしい」と憤る。さらに、「一刻も早く手帳を配布してほしい。原告だけでなく、その先には裁判をじっと見守っている人がたくさんいる」と訴えた。

 「(援護対象区域の)『線の引き方』が納得いかない」と訴え続けてきた原告の本毛稔さん(81)は、「もう高齢。裁判はもう終わりにしてほしい」。原告の一人で、昨年2月に白血病により85歳で亡くなった前田博明さんの長男、謙二さん(59)は「(原告の)皆さんには長生きをしてほしい。(被告側による)上告は論外」と強調した。

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