社会・その他

熱海の土石流災害 派遣の広域緊急援助隊「被災者らに希望与える活動意識」

 今月3日に発生した静岡県熱海市伊豆山の大規模な土石流災害を受け、府警広域緊急援助隊の隊員ら約70人が6~10日の5日間にわたって被災者の捜索や救助活動にあたった。土砂に埋もれた自動車内から男性の遺体を発見。帰阪した隊員らは「被災者をご家族の元に帰すことが大きな任務だった」と振り返った。

 同隊が現地に派遣されたのは土石流発生3日後の6日からで、翌7日から被災者の捜索活動を開始した。帰阪後に記者会見を行った隊員らによると、スコップやバールを使ってがれきと泥を除去する作業に専念したが、降り続く雨の影響で作業を一時中断せざるを得ないこともあったという。

 捜索が難航する中、8日には自衛隊からの通報を受け、土石流が発生した斜面で、土砂に埋もれていた自動車の捜索にあたることに。ただ、自動車は屋根の一部しか見えないほど土砂に覆われており、隊員らは手で泥を取り除くなど地道な作業を続けた。

 約3時間、土砂を掘り起こす作業を続けると、自動車の車内から、男性の遺体が見つかった。捜索に参加した府警警備2課の北村仁警部補(41)は「(男性のことを)一分一秒でも早く出してあげたいという気持ちだった」と当時の心境を語った。

 「被災者の家族、友人に少しでも希望を与えられるような活動をしよう」。今回、山田一紀隊長(50)が隊員らに伝えていた指示だ。5日間の任務を振り返って山田隊長は「隊員たちは被災者やその関係者の心に寄り添うという気持ちで捜索に取り組んでくれたと思う」と振り返った。

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