インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策を強化するため、「侮辱罪」の法定刑に懲役刑が導入される見通しとなった。過去にインターネットニュース「ヤフーニュース」のコメント欄に事実無根の内容を投稿され、中傷被害に遭った大阪府高槻市の北岡隆浩市議は「お金さえ払えば済むと考えていた人もいるはず。懲役刑があれば、そのような考え方を持っている人にも効果はあるだろう」と評価する。
平成30年10月に事実無根の投稿をされた北岡氏は、ヤフーに発信者の開示を求めて提訴。開示情報を元に書き込んだ男性を刑事告訴した。男性は今年5月、名誉毀(き)損(そん)罪で略式起訴され、罰金10万円の略式命令を受けた。
北岡氏は「インターネットや会員制交流サイト(SNS)は拡散力が高い」とした上で、「ネット中傷によって本人や家族は精神的苦痛を味わうだけではなく、社会的な信用を失い、抹殺される可能性もある。被害者によっては殺人に等しい行為になる」と話している。