働き方

スポーツ庁、部活動の外部委託の手法検討 保護者の新たな金銭的負担も

 教員の「働き方改革」を進めるため、スポーツ庁が中学校の休日の部活動の外部委託に向けた検討を始めた。文部科学省が昨年、令和5年度以降に休日の部活動の外部委託を進める方針を示していて、7日に初会合を開いた同庁の検討会議が4年7月をめどに提言をまとめる。ただ、保護者の新たな金銭的負担が生じる可能性が高いほか、地域によっては指導者の確保が難しいといった課題があり、文科省の方針がどの程度達成できるかは不透明だ。

 日本スポーツ協会が今年7月に発表した調査結果によると、全国の約2千人の中学校教員のうち、休日の部活動を「地域人材に任せたい」と回答した割合は45・6%。部活動に関する民間の調査の中には7割以上の教員が「負担を感じている」と回答したケースがあるなど、部活動が教員の働き方改革を阻害しているとの指摘は根強い。

 文科省ではこうした教員の負担を踏まえて昨年、部活動改革の概要を公表。主に中学校の部活動を対象に、休日に関しては「地域移行」との表現で、外部委託を進める方針を示した。

 すでに一部の中学校では、外部委託が始まっている。茨城県つくば市では中学校2校で、平日を含めた週に2日程度、地域のスポーツクラブが部活を指導する。同市教育委員会は「教員が部活動に毎回携わる必要が無くなるため、負担軽減につながっている」としている。

 一方で課題も多い。外部委託で、保護者には新たな金銭的負担が生じるからだ。また、地域によっては外部委託が可能な人材を見つけることが困難な場合もある。同市教委も「来年度も対象校を増やしたいが、現状でどの程度増やすことができるかは不透明だ」という。部活動はあくまで公教育の一環で、家庭の金銭的事情や地域性によって、生徒の「機会の平等」が奪われるようでは本末転倒となる。同市教委は「新たな負担や教員以外の指導者が入ることに関し、保護者との綿密な合意形成が必要なのではないか」と指摘する。

 さらに、部活動中の事故などに関する責任の所在や地方大会の運営の手法を整理する必要があるなど、検討項目は多岐にわたる。

 この日の検討会議では教員の負担軽減を進める方向性に肯定的な意見が出た一方、「子供の視点に立った検討が必要だ」との指摘もあった。

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