元受付嬢CEOの視線

「受付嬢の選手生命は短い」 彼女たちは引退後、どんな大転身をとげているか (1/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 受付嬢は「選手生命が短い職業」です。

 私はこれまでも色んなところでそんな話をしてきました。

 そもそも、どうして短いのか。それは受付嬢が一般的に抱かれるイメージが、「若い女性」だからです。私が受付嬢の仕事を見つけるにあたり、派遣の求人を見ていると、当時はどの募集要項にも、「25歳から30歳まで」といった具体的な年齢の記載がありました。それらから、「受付嬢は30歳が限界」といった考えにつながっています。

 私は受付嬢を引退すると共に「起業」の道に進みました。私のキャリアは極端だと思います(笑)あまり一般的ではないキャリアチェンジです。

 では、受付嬢引退後、彼女たちはどのような転身を遂げているのでしょうか。今回は、私が一緒にお仕事させてもらった、尊敬してやまない「先輩・同僚・後輩受付嬢」のその後のキャリアについてお話ししたいと思います。

“受付嬢の鏡” 尊敬する、大好きな先輩のその後

 私が受付嬢の仕事に惹かれた大きな理由の一つは、ある先輩に出会ったことです。

 綺麗で、スタイルも良く、仕事もテキパキこなす。才色兼備。社会人になりたての私からすると、まさに「理想の女性」という印象でした。

▼私の「社会人の原点」

 しかし、その先輩の魅力の本質はそこではないと思っています。彼女の魅力の本質は「誰にも負けないプロ意識」と「影での努力」。そして、「誰よりも自分に厳しい」ところです。

 受付で一緒に働いていた時、色んなシーンでそれらを感じました。社員に空きのない会議室の確保を要求されても、クレームを伝えにきた感情的なお客様に対しても、毅然と対応する姿が印象的でした。

 容姿端麗な受付嬢であれば、社内・社外問わず、言い寄られることも多くあったと思います。しかし、それに動じることなく、調子に乗ることなんて1ミリもなく、地に足をつけて受付の仕事に向き合っていました。

 「注意すると嫌われるかも…」と躊躇しがちですが、その先輩は、嫌われることを恐れず常に正しいことを伝え続けてくれました。私はそれに対して、嫌な感情を抱いたことがありませんでした。それは、彼女が私よりも自分に厳しくしていたからです。ここまで自分の仕事にプロ意識を持って働ける人になりたい…。そう思わせてくれた、私の「社会人の原点」のような先輩です。

▼夫の仕事もプロフェッショナルにサポート

 先輩は今、3人のお子様をもち、旦那様の家業をしっかりと支えられています。話を聞いていると、今でもプロ意識は健在で、「旦那様のサポートとお子様の育児」にコミットされています。

同僚であり親友 受付嬢キャリアで得られた一番の宝物

 受付嬢の仕事をしていてよかったことは何? と聞かれたら、私は、同僚だった「彼女」との出会いだと答えるでしょう。

 社会人になって、腹を割ってなんでも話せるような、いわゆる「親友」という友人に出会える確率ってどれくらいでしょうか。決して高くはないと思います。同じ会社で働いているその瞬間は仲がいい人はいても、辞めてから何年も変わらず仲良く付き合い続けることができる友人に出会えるというのは、本当にレアだと思います。

▼別々の会社で働いていても高め合える存在

 彼女は、私が受付をしていた会社に「受付未経験」で入社してきました。未経験ではあるものの、人当たりがよく、丁寧な言葉づかいで、しっかりとした安心感のある対応をしていたという印象です。2名体制のこじんまりとした受付だったので、来客が落ち着いている時間帯はいろんなことを話しました。

 環境が変わり、私たちは別々の企業に受付嬢として転職しました。職場は離れてもお互いの仕事の話を共有したり、それぞれの場所で互いに一生懸命業務に向き合っていたなと思います。

 私はのちに起業しますが、彼女は受付嬢としてさらに外資系の企業の受付に転職し、リーダー業務に就き、受付嬢としてのキャリアをアップデートしていきました。彼女の受付嬢としての最初の同僚として共に時間を過ごした身としては、彼女が受付の仕事を続けてくれることは純粋に嬉しかったです。

▼英語力とOAスキルを磨いて営業事務へ

 そんな彼女も、「そろそろ受付を引退したいと」考えるようになりました。もともと勉強していた英語をさらに磨きました。受付嬢はOAスキルが身に付きづらい仕事ですが、そのハンディも乗り越え、ベンチャー企業の営業事務の仕事に転職を成功させました。

 自分のキャリア・人生をの軸をぶらすことなく、真っ直ぐ着実に進んでいく彼女の姿は、「輝いている女性」そのものだと思います。

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