今日から使えるロジカルシンキング

「ノーベル賞級の研究者が愛想をつかす国」から脱却 日本経済の鍵握るディープテック開拓に政府が本腰 (2/2ページ)

苅野進
苅野進

「研究者の根性と頑張り」に頼らない国へ

 企業の本場アメリカでも、「既存事業の改善バージョンによる起業が増えすぎている」という傾向があります。 Zero to Oneのリスクの高いものは避けられがちであると同時に、そもそも非常に限られた能力を持つ人にしか携われないのかもしれません。投資を渋っている間に、せっかく日本にいる人材も研究成果ごと丸ごとほかの国に持っていかれてしまっているのはもったいないことですね。

 「日本は技術力は世界ナンバーワンだ」と未だに思っている方も多いようですが、新型コロナウイルスのワクチンを海外企業に頼ったように全く手も足もでない分野は少なくありません。「国内需要がない」という理由で投資できなくなったツケが回ってき始めているのです。

 それでも国際的にトップレベルの研究の芽がまだまだ多い方である日本のディープテックに対して、どれだけ長期的な視野で政治判断がなされていくのかは日本の今後の経済環境を左右する問題です。「研究者の根性と頑張り」だけでなく、環境整備が同じくらい報道され、注視されていくことを期待したいと思います。

苅野進(かりの・しん)
苅野進(かりの・しん) 子供向けロジカルシンキング指導の専門家
学習塾ロジム代表
経営コンサルタントを経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップによって「上手に試行錯誤をする」「適切なコミュニケーションで周りを巻き込む」ことで問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組んでいる。著書に「10歳でもわかる問題解決の授業」「考える力とは問題をシンプルにすることである」など。東京大学文学部卒。

【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら

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